リビア人に料理を教えてもらったりと、何かとリビアが気になる今日この頃。
この勢いで、前から気になっていたリビア料理のお店にに行ってきました。
カイロはシリア料理やイエメン料理など、各国料理のお店が意外と多いのですが、リビア料理は少ないのではないかと思います。
エジプト料理とはひと味違うリビア料理、楽しみー。
やって来たのは空港に近いナセルシティーというエリア。
1960年代に開発された地域で、かなり広いので一概には言えませんが、日本人がイメージするところの中流層が多いかな、という印象です。
そんなナセルシティーの第8地区にリビア料理のお店があります。
「Al Torath Lybian Restaurant」。店名のトラースはアラビア語で遺産という意味。リビア遺産、ほうほう、なかなか立派な名前です。
表通りから入った場所にあり、英語表記などはないのですが、周辺の雰囲気からして立派な店構えなのですぐにわかるはず。
シックで落ち着ける店内。
いかにも~なゴテゴテのインテリアは個人的に好みではないので、いいですね。このくらいが。
ゴテゴテではないですが、エキゾチックなデコレーションが所々で使われています。
店員さんの制服もインテリアに合わせてかパープルのシャツで、統一感があります。
まずはリビア料理の大定番「ムバッタン」。ジャガイモに挽肉を挟んで揚げた料理です。
しっかり目に塩味とスパイスを効かせた挽肉。食べ応えがあります。
これはどうやってもおいしい。
さぁさぁ、お待ちかねのクスクスです!
他にも魅力的なメニューがいろいろあり、かなり迷ったのですが、初めての店では結局定番を頼んでしまうのです。
リビアのクスクスはあらかじめ味が付けてあるタイプが多いよう。
確かチュニジアもこのタイプだった記憶が。
各自でスープをかけながらいただくクスクスよりも、どちらかと言えばこちらのタイプが好きなので、うれしいな。
柔らかな骨付き鶏もも肉と、大量の甘い玉ねぎ、そしてシナモンの風味がダイレクトに感じます。
確か前に別のリビア料理のお店で食べたクスクスも甘い玉ねぎがドッサリでした。
あそこはまだあるのかな。
この玉ねぎ、クスクス用の2段式鍋で一旦蒸すようです。柔らかくなったら、別の鍋に移してスープを足しながら煮詰めて味を調整するのだとか。
しっかり味の付いたクスクスはふわっと軽く、とろとろ玉ねぎとジューシーな鶏肉がやみつきになります。
スパイススパイスしておらず、一見優しい味なのですが、なんかポカポカしてくるのです。やっぱりリビアのスパイスはひと味違うのだろうか。
食後はリビア式グリーンティ。甘みは付いていないので、各自で砂糖を入れますが、煮出したような濃いめのお茶。ほのかにすっとする感じが食後に心地よい。
写真を撮り忘れたのですが…。運ばれてきたときはカップの底に1㎝ぐらい“泡だけ”が入っていたのです。なるほど、これで高い位置からお茶を注がなくても簡単に泡が立ったお茶が飲めるというわけ。
高い位置からお茶を注ぐと空気が入っておいしくなる、みたいな、なにかしらの理由があってああいう作法が生まれたと思うのですが、そこを省いても、とりあえず泡。リビアではそれほど重要なのね。泡。
この日はひとりで行ったので、注文できるものはこれくらい。
それでも3分の1ぐらいは持って帰りましたが。
また行かなくちゃ。
ちなみにこのお店の向かいには評判のよいパレスチナ風軽食屋さんがあるのですが、この日は改装中。残念。また来よう。
ところで、エジプトではクスクスは食べないの?と思う方もいると思いますが、実はエジプトでは一般的には料理にクスクスは使いません(西方砂漠などでは食べるようです)。
もちろんどこにでも売っているし、料理として食べる人もいますが、エジプトでクスクスと言えばデザートです。そう、甘くして食べるのです。
こちらはエジプト人に作ってもらったクスクス。
クスクスをお湯で戻して(彼女は温めた牛乳を使っていました)、粉砂糖をかけて食べます。
屋台でも時々見かけます。
好みでココナッツやレーズン、ナッツなどをトッピングします。
味はまぁ、味のないクスクスに砂糖をかけた味、としか言いようがない味。
これも慣れれば積極的においしいと思えるのかな。
とあるデザート屋さんのクスクス。エシュタ(クロテッドクリーム)をトッピングしました。
ちょ、ちょっと、なんじゃこりゃ。やる気あるんかい。と思わずにはいられませんが…。小袋は粉砂糖です。
Al Torath Lybian Restaurant 30 Abd El Hakim El-Refaey, Nasr City, Cairo