ベイルートの秘密「ムファッタア」 日本人はまだ知らないアラブのおやつ

最終更新: 9月21日


レバノンの、しかも首都ベイルートだけでしか見られないお菓子に「ムファッタア(ムファッタカ)」があります。お米と白ごまペーストの、おはぎのようなデザートです。

このお菓子は4月の最終水曜日「アイユーブ(ヨブ)の水曜日」に食べるデザートで、この日は、預言者アイユーブがベイルートの海に浸かり長年苦しんだ病を克服したという記念日です。主にイスラム教シーア派、ギリシャ正教のコミュニティーで祝われています。

ムファッタアは熱い鍋を前に、長時間かき混ぜ続ける必要があり、作るのに時間と手間がかかることから、苦悩のと忍耐の象徴である預言者アイユーブにちなんでいるととか。

この日はベイルートにある「ラムレット・バイダー」 という海岸でピクニックをしたり、海に入ったりします。

ムファッタアと言うと必ず名前が挙がるお店が「マカーリー&ハーシム」。

普通のお菓子屋さんにはムファッタアは置いていませんが、ベイルートの庶民的な地区「バスタ」にあるムファッタア専門店のこのお店で、1年中買うことができます。

陶器のお皿ごと買います。

ムファッタアは日常のデザートと言うよりも、ちょっと特別なデザートという雰囲気がある気がします。どこでも買えるというわけでもないし、作るのに時間がかかる。そして、いろいろ宗派が混在するレバノンで「アイユーブの水曜日」を特別重要視しない層も多いわけで。

ベイルートに短期滞在していたとき、レバノン人の友人にムファッツタアをお土産で持って行ったところ、実は初めて食べた!と感激していました。

アイユーブの水曜日に関しては、別の地域、例えばシリアの地中海沿岸の都市ラタキアや、エジプト のシナイ半島などでは、イースター前週の水曜日としている場合もあります。

ベイルート以外のこれらの 地域でムファッタアを食べることはありませんが、海に入ったりするというのは同じようです。

実はエジプトにもムファッタアという同じ名前の食べ物があります。

こちらは黒蜜にフェヌグリークや炒めた小麦粉、ゴマなどを煮詰めたペーストで、パンなどに付けて食べます。ベイルートのムファッタアとは全くの別物です。

材料 米…200g

グラニュー糖…300g

タヒーナ(白ごまペースト)… 200g

ターメリック…大さじ 1

水…600cc 松の実(飾り用)

作り方 ① 米を洗って一晩水に浸ける。 翌朝ざるにあけ、水気を軽く切る。

② 鍋に米、水、ターメリックを入れ、軽く混ぜ、蓋をして米が柔らかくなるまで弱火で炊く。

③ 米粒を潰すように混ぜる。グラニュー糖、タヒーナを加え、絶えずかき混ぜながら水分をとばす。

④ 30 分以上かき混ぜ、もたりとした粘りが出て、タヒーナの油が浮いてきたら火から下ろし盛り付ける。 常温で食べる。好みで松の実を飾る。

ムファッタアは本来は大量に作るもので、これくらいの量がぎりぎり作れる量です。常に弱火で、できるだけ長くかき混ぜてください。

手順③では、フードプロセッサーに入れて完全にペー スト状にすることもあります。砂糖を入れた後だと米が潰れにくいので、この段階で好みの食感にしましょう。

松の実を表面に飾ったり、中に混ぜたりしますが、今回はクルミを使いました。

ごまとターメリック、ちょっと不思議な組み合わせですが、あ、これおはぎだわ、と思うはずです。




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