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【アゼルバイジャン】タザ・バザール

更新日:2023年2月11日


カスピ海に面した国、アゼルバイジャン。イランやアルメニア、グルジアに接していて、国民の殆どはイスラム教シーア派、でも、ワイン造りが盛んで、お酒を飲むには困らない?とあって、前々から興味があった国です。

グルジア、アルメニア、アゼルバイジャンの3国一緒に周る旅行者が多いようですが(ただしアルメニア↔アゼルバイジャンは直接行き来できません)、2年ぐらい前にグルジア、アルメニアには行ったものの、なぜかアゼルバイジャンは行かずじまい。それならと、今回はアゼルバイジャンだけをじっくり周ることにしました。が、なんと私、夫共に体調不良で、いつもより随分控えめな旅行になってしまいました…。しくしく。やはり健康第一、です。それでも、いろいろ美味しい物食べてきましたよー!

初めての国で、どんな観光名所よりもまずは市場が気になってしまうのは、食べるのが大好きな人に共通するのではないでしょうか。市場もその国によって、まだまだ現役だったり、主に観光客相手になっていたり、それを通り越して、オーガニックなどのこだわりの製品を売っていたりと、その役割も様々ですが、さてさて、アゼルバイジャンは首都バクーの中央市場は?

バクー中心部にある「タザ・バザール」は生鮮食品はもちろん、日用品や家電など、ありとあらゆる物がそろう市場です。

ちなみに「タザ」とは、アゼルバイジャン語で「新鮮な」というような意味。アラビア語(タージジュ、ターザ)と同じなんです(そしてトルコ語とも)。このように、アゼルバイジャン語とアラビア語の類似単語をあちこちで見かけました。トルコ語とよく似たアゼルバイジャン語、そして、アラビア語の語彙が多いトルコ語、この辺りの関係が肌で感じられて、言語マニアにはたまらないのでは(私は言語マニアではなく、むしろ音痴です)?

ピカピカの野菜や果物が並ぶエリア。訪れたのが昼頃だったのですが、お客さんはそれほど多くはありません。早朝だともっと賑わっているのでしょうか。

アゼルバイジャンの国旗がペイントされた箱、カワイイ~。下に半分隠れているのは、バクー旧市街の観光名所「乙女の塔」ですね。

色とりどりの 手作り保存食は、ピクルスからジャム、ブドウの葉など、見ているだけでうっとりしてしまいます。

魚コーナーはほぼチョウザメ一択。アゼルバイジャンはカスピ海で捕れるチョウザメの卵「キャビア」が名産というこなのですが…。お客さんが殆どいない…。これも時間帯や季節によるのでしょうか。魚をどんっと置いたデスクがずらっと並ぶ通路を通ると、ほんのり声をかけてきたりします。

中東にある程度住んでいると、こんな光景にはもう驚きません!羊の頭と脚です。きれいに掃除されて、なんだかシュールです。

そうこうしているうちに、お腹が空いてきました。バザール内にいくつかある食堂の一つ。心地よい光と、寂れた感、活気があるはずの野菜市場の脇の、静かな食堂。空のショーケースに置かれた、これまた空のウォッカの瓶に時間の経過を感じます。

壁に貼ってあるメニューを見てもさっぱりな我々を見かねて、厨房を見せてくれました。

チキンとジャガイモとスープ。注文が入るたびに温め直してくれます。

カリカリ、中はねっとりのジャガイモは、きつめの塩気で止まらないおいしさ。しっかり目に揚げられたチキンは、お肉そのものの旨味が強くて、いつまでも食べていたくなります。

先ほどの料理と材料がかぶっていますが、骨付きチキンと丸ごとジャガイモのスープ。しかもどんぶりサイズ。濃いスープの色に反して、こちらは優しい味。トマトスープぽいですが、どうやらターメリックの色のようです。出汁の出たチキンを骨の際までガリガリ、そしてスープを一口。暖まります。

食後はチャイで。コーヒーという選択肢がないくらい、アゼルバイジャンはチャイの国でした。トルコより若干大きめのくびれグラスに、レモンを入れて飲むのがアゼルバイジャン流。ポットにたっぷり入って出てくるので、気の済むまで?おかわりできます。

この首都バクーのタザ・バザールは衰退傾向にあるのではないかと感じました。バザール内にも空物件がポツポツあり、バザールの周りのいわゆる場外も同様に空室が散見されました。

ホテルの人に、バクーのお薦めバザールを尋ねた際にも、バザール?あ、バザールね?といった感じで、多くの人が日常的に利用する「庶民の台所」とは言えなくなっているようです。

では、その代わりとなるスーパーマーケットをあちこちで見かけるかと言うと、小さな個人経営のマーケットはちょこちょこあったものの、いわゆるスーパーの数はそんなに多くないように思います。今まさに、買い物の場がバザールからスーパーへ変わる過渡期なのではないでしょうか。

ただし、後日書きますが、田舎の町ではまだまだバザールが現役で活気にあふれていたので、圧倒的都会のバクー事情ということで。

そんなことを思いつつ、結局3時間近くもウロウロしていたのでした。やっぱりバザールは楽しい!


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