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【アゼルバイジャン】でお菓子のハナシ

更新日:2023年2月11日


アゼルバイジャンのお菓子って何?と地元の人に聞くと、決まってバクラワ!と答えが返ってきます。そう、今やアラブ菓子として世界中に名を馳せているお菓子が、アゼルバイジャンにもありました。

ナッツと極薄生地を重ねてシロップをかけた現代によく見られる形のバクラワは、オスマン帝国で発達したと考えられており、アラブ諸国はもちろん、ギリシア、グルジア、アルメニアなど、トルコ周辺の地域でよく見られます。(詳しくはこちら

アゼルバイジャンのバクラワ(パクラバ)は、生地がちょっと厚め。レシピを確認すると生地自体に卵とバターが入っているようです。アラブやトルコなどで使われる極薄生地、フィロペストリーは、基本的には水と小麦粉だけで作られるので、アゼルバイジャンタイプは、クッキー生地と言うと大げさですが、少しリッチな生地と言えるでしょう。

同じ厚めの生地のバクラワはイランでも見かけました。ただし、アゼルバイジャンの方が大きめにカットされているようです。

中身に使われるナッツは、圧倒的にクルミが多いです。ヘーゼルナッツのバクラワも見かけましたが、例えばトルコなどで多用されるピスタチオは見かけませんでした。

焼き上がりに熱々のシロップをかけて完成するアゼルバイジャンのバクラワは、アラブのそれと比べてどっしり重いです。しかし、生地自体にシロップとは違う甘みと、しっとりとした歯触りを感じます。シロップにサフランなどを加えたものもあり、食べたあとに口の中が爽やかに感じるものもあるほどです。

ちなみに、トルコやアラブなどの、フィロペストリーを使った、いわゆるバクラワは「トルコ風パクラバ」として、こちらもよく見かけました。

大きなトレイにどーんと、キロ単位で買っていくバクラワですが、 スーパーにはこんな小分けされたものもありましたよ!ちょっと食べたいときや、お土産に、旅行者にはありがたいです。

こちらも大定番、シャケルブラ。シェケル=砂糖、ブレク=生地、といった意味のトルコ語が語源のお菓子です。

ホロホロの生地の中身はアーモンドが一般的で、グラニュー糖のシャリシャリ感がおもしろいです。カルダモンが多めに使われており、スッと鼻に抜ける爽快感がアクセントです。表面の模様はマガッシュと呼ばれるピンセットのような専用の道具で付けられます。エジプトのカハク作りに使われる道具と一緒ですね~。

一見するとパイのような、層になった生地が美しいのはバダムブラというお菓子。こちらも中身はアーモンドが一般的です。

この層は、薄くのばした生地にバターなどを塗り何枚か重ねます。巻き寿司のようにクルクル巻いていき、適当な長さにカットします。断面が上下になるように置き、くぼみを作り、ナッツを詰め生地を閉じます。ひっくり返してオーブンで焼けば、きれいな層ができあがります。(こんな説明じゃわからん!という方はこちら

シャケルブラよりもサクサクです。

鮮やかな朱色が目を引くのはシェキ・ハルバ。アゼルバイジャン北西の古都シェキ名物です。

網状の生地は米粉でできており、アラブ菓子の素材、クナーファと同じ手順で作られます。

違いを挙げると、クナーファは1本1本独立した麺のような状態で仕上げるのに対し、シェキ・ハルバの生地は網のような1枚の生地に仕上げます。

クルミなどを挟み、生地に色が付かない程度に軽く焼き、シロップをたっぷりかけます。

もう甘い!の一言ですが、サフランやカルダモンがこのお菓子にも使われており、どことなく爽やかな後味なのが不思議です。

チュロスのようなのはバーミヤ。シュー生地を絞り出しながら揚げてシロップに浸したこのお菓子は、バラハ・シャーム(ダマスカスのナツメヤシ)という名前でアラブにもありますね。バーミヤということはオクラ?かな。

カラフルな砂糖菓子。アゼルバイジャンではお茶に砂糖はもちろん、ジャムやキャンディーを添えるのが一般的で、懐かしい雰囲気のアメちゃんの詰め合わせなんかもよく見かけました。

お茶に添える砂糖といえば、普通の白い砂糖の他に、こんな色つきの砂糖もありました。市場やスーパーなんかでは菱餅のような、切る前の砂糖の板が売っていましたよ!(上記のシェキ・ハルバの写真の上部にあるのがそうです)

ミントやバラなどの香り付きの砂糖なんかもあって、紅茶ライフが楽しそう。

お茶関連でもう一つ。スニッカーズをお茶請けに出すというのは、アゼルバイジャンでは定番なのでしょうか。何度か遭遇しました。しかもこういう風に切ってあるんです。

お菓子の食べ歩きとまでは言えませんが、ちょこちょこいろいろなところでお菓子を食べて、一番気に入ったお店がこちら、「Sweet Memories」。

バクー旧市街の金曜モスク隣、超観光地にあり、英語でメニューがあったりで、正直なところ半信半疑でしたが、大正解。オススメです。

定番バクラワはチョコレートなどを使った創作系も含めて数種類あり、カラフルで楽しい!

こういうお店やお菓子を褒めるとき、甘さ控えめで~なんて言ったりしますが、ここのお店のバクラワはしっかり甘いです!でも、甘さが口に残らないというか、さらっと溶けていく感じ。カルダモンなどの風味で爽やかに感じるのとは少し違うのです。シロップがさらーっと、喉を流れていくのです。

スコーンのような、素朴な焼き菓子も美味しい。バクーの蚤の市で見つけたソビエト時代の小皿もかわいいでしょ?

伝統的なお菓子ではない(と思う)ですが、きのこの山もありました。スーパーの特売のチラシにも載っていたので、ポピュラーなのかしら。ホワイトチョコバージョンもあり。ブナピー?


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