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【ウラジオストク】キタイスキーバザールと隅っこのウズベキスタン食堂

更新日:2023年2月9日


ウラジオストクには大小多くの市場があり、現在に至るまで人々の生活に根付いていますが、有名なのは「キタイスキー市場」ではないでしょうか。


路面電車やバスを降りると、広い駐車場と巨大な建物。コンテナのような建物を並べたブースや、その間を埋めるようにテントの下で野菜やパンを売るおばちゃん。

食品はもちろん衣料品や雑貨など、文字通り何でもそろう巨大市場です。


そうなると、ここで働く人や買い物客相手の食堂も多く、様々な人種が暮らすウラジオストクのこと、チャイニーズ、ベトナム、そしてウズベキスタンなど、手ごろな値段ておなか一杯になる魅惑的な食堂があちらこちらにあります。

目立つのはチャイニーズ。食堂と言うよりは少し大きめのレストランもあり、客引きが多い。


市場を奥の方にどんどん進んでいくと、小さなコンテナのお店が増えてきます。

ウズベキスタン料理を出す食堂はいくつかあるようですが、表でパンを焼いているお店がありました。

近づくとボワっと急に熱風を感じ、ちょうどパンの焼けるにおい。

熱いから気を付けて、と気さくなお店の人。

よし、雨も降ってきたし、ここに入ろう。


メニューはロシア語のみですが、写真付きで分かりやすい。

まず頼んだのがこちら。羊のスープ。

もちろんどっしりしたパン「ノン」も。

器にいっぱい入っているのがなんかいいよね。

ラーメンで言う所の背脂のようなものが浮いて、その隙間にふわっとディルの香り。


中身はごろんとした骨付きの羊と丸のままのじゃがいも。

しっかりスープが出るまで煮込まれたであろう肉は、ほろっと骨から身が外れ、濃厚かつすっきりしたスープが再びしみ込んだような味わい。

これにどっしりしたノンを浸すと、止まらなくなる。


どうしても頼んでしまうラグマン。

今日は違うものを、と思っていても、結局ラグマンを注文してしまう。


スープをこぼさないように、慎重に混ぜて、麺を具の底から引っ張り出しながらいただきます。

噛み応えのある麺に油でほんのちょっととろみがついたトマトベースのスープを絡ませながら。


ウズベキスタンでは、お茶は小さなお茶碗で飲むようですが、このようなペットボトルのフルーツフレーバーのお茶にもこのお茶碗なんだな。そういう小さな習慣って面白い。


肝心のキタイスキー市場の様子は…。

この日は前日からの大雨で一部が冠水。

ここまで降るのは珍しいらしいけど、日本のように排水システムはまだまだ不十分のよう。


とは言え、市場全体が休業することはなく、いつもどおりお客さんでにぎわっています。

ピカピカの野菜。

香草もどっさり買えてうれしい。


ベリー類も豊富。

降ったりやんだりの雨で、ビニール袋をかぶっている人も多い。


意外と?キノコ類が豊富でした。


こういうビスケットの売り方って、旧ソ連ぽい。


お肉屋さんでは、あらゆる部位が売られています。

そこそこ中東に暮らしたので、正直なところ特に珍しくはないのだけど、陳列が清潔でよい。


ウラジオストクは海に面した町なので、魚介も豊富なのだけど、特にカニが有名らしい。

とは言うものの、お値段はそれなりにするので、地元の人がどれだけ食べているかは未知数。


この町で興味深かったのは、海藻や山菜などを使った朝鮮風?のお惣菜をよく目にしたこと。

なんでも労働者など、朝鮮族も昔から多く暮らしていたからなのだとか。

インターナショナルだな。

キムチもありました。


牛タンかな。その隣には朝鮮風ゼンマイ?


そのそばには冷凍のペリメニやら、ロシアのお惣菜。


ウラジオストクは「日本から2時間で行けるヨーロッパ」なんて言われているようだけど、うーん、ヨーロッパではないような。むしろ、私たちがまだ知らない、違う方向のインターナショナルな世界がウラジオストクという町の魅力の一つだと思います。


国際的、海外…こういった言葉を(日本人が日本語で)使う時、多くの人はアメリカやヨーロッパを思い浮かべるのではないでしょうか。

(海外では~、なんて話題が出たときに、その中にどうやらエジプトやシリアなどは含まれていなさそうだな、と思います。言わないけど。)


言葉はそれ自身が持つ直接な意味の他に、その言葉を使う人との間にある習慣や概念、暗黙の了解などが複雑に絡み合って成り立つものだと思います。

日本人の“国際的”という言葉の意味する範囲が、アメリカやヨーロッパなどに限られる、というのは仕方ない現象だとしても、違う“国際的”が存在するという事に気が付くことができるのは、より広い範囲で物事を考えるきっかけになるのではないでしょうか。


ウラジオストクはそんなことに気づかされる「日本から2時間で行ける最も近い町」なのかもしれません。




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