イスラームを学ぶインドネシア人が集う食堂

最終更新: 9月21日


エジプトに来る観光客が必ず訪れる場所の一つが「ハーン・ハリーリ」。中世からのスーク(市場)が現代まで残っており、古びた建物や入り組んだ道が独特の雰囲気を醸し出しています。

もろ観光客相手のお店ばかりかと思いきや、実はこの辺りは仲卸市場の役目も果たしており、昼夜問わず人であふれかえっています。

ちなみにエジプト人はこの辺りを「ハーン・ハリーリ」とは言わずに「ホセイン」と呼びます。

この辺に来たときに困るのは、いいお食事処がないこと。いや、食べる場所自体はわんさかあるんです。これだけ人が集まる場所ですからね。でも、たいしておいしくなかったり、高かったり。エジプトに限らず観光地ってこんなものなんでしょうけど、やっぱりおいしい物が食べたい。旅行ではなく住んでいると、どうしても今ここで食べなければ!という時間制約もないし。

そんなことをエジプトに来た当初から思っていましたが、先日ひょんなことからこの「ハーン・ハリーリ」周辺に通いたくなるお店を見つけました!

カイロにはイスラームを学ぶ留学生が多く、その中でもインドネシアやマレーシアなどの東南アジアの学生が多く住んでいます。

そんな彼らが利用する食堂は、当然安くておいしい。

エジプト料理もいいけど、やっぱりアジアのご飯はなんだかほっとするんです。

東南アジア留学生食堂(と便宜的に名付けてみた)はカイロにいくつもありますが、「ハーン・ハリーリ」に近いのは「Pantura」というお店。

靴を脱いで上がります。座敷?ちゃぶ台風で落ち着く~。

インドネシア料理の定番「アヤム・バカール」チキングリルです。

甘いタレに漬け込んでこんがりジューシー。日本人の味付けよりもかなり甘いです。このくらい思い切って甘くしても結構ご飯に合うんだなぁ。お店の人によると、蜂蜜とコリアンダーシードが味のポイントなんだとか。

赤いペーストは「サンバル」といって、唐辛子ベース。当然辛いですが、大量のご飯もこれを付けながら食べるとあっという間です。

こちらは「バクソ」ミートボールとビーフンの料理です。

ぎゅっと密度の高いミートボールが食べ応えあり。

余談ですが、メニューにこの料理の写真が載っていて、お店の人(たぶんインドネシア人)に、これは麺?と聞いたところ、う~ん、麺とも麺じゃないとも…、というお返事でした。

ということは、インドネシアでは、これは麺ではないという認識なのでしょうか?それとも、インドネシアでは、これは麺だが、外国人がこれを麺と認識しない可能性もあることを意識しての答えなのでしょうか?

このときはアラビア語で会話しており、それは当然お互い「外国語」なのです。

アラビア語で麺というと、「マカローナ」になるのですが、これは、例えばペンネなどのショートパスタも含まれます。

一方日本語で麺というと、一般的には細長いものを指し、ペンネなどのショートパスタは普通は麺とは言わないと思います。

中国語では小麦粉を練った物を形は何であれ麺、でも米粉を練った物は麺ではない、という話を中国人から聞いた時には目からウロコでした。

辞書にはマカローナ=麺とあったとしても、各個人が持っている「麺」の意味する範囲で、その可能性は何通りにもなるんだなぁ、と思ったのです。

アラビア語で話している以上、アラビア語の意味するところの「麺」を前提として話を進めていくのが言葉なのかもしれません。

ただ、話す相手によっては、自分の思う「麺」が「麺」でない場合もある、という思考が生まれる。それは外国語を学んだり、自分の文化とは異なる場所で生活したりした場合に、より育まれるのだなと思います。だからといってエライわけではないですが。

飲み物もインドネシア流ですよ!

黄緑色の「パンダン」は甘ーいのですが、食事となぜか合うんです。

サンバルでどうしようもなくなったお口も、これを飲めば落ち着きます。

メニュー数は多くないですが、インドネシアの揚げせんべいや、テンペなども売っていたので、今度買ってみよう。

で、このお店、すっごくわかりづらい場所にあります。

まずはハーン・ハリーリから大通り「アズハル通り」を渡ります。アズハルモスク側に来たら、そのモスク脇の道を入ります。

左方向に曲がり、次を右に曲がります。

この辺りは本屋密集地域なので、わかる方にはわかるでしょうか。

道なりに進むと行き止まりになるので、その手前の屋根付き小道をくぐり、少し進んで鏡屋さんの脇道に入ります。

そのまま奥に進み、突き当たりにお店があります。ふ~。

短期の旅行者には、わざわざエジプトでアジア料理なんて、と思われるかもしれませんが、東南アジア留学生食堂巡りは、カイロでのディープな楽しみ方だと思います。

そうそう、東南アジア以外にも、ウイグルなんかもおいしいお店があるんですよ。

そのストックはまだまだありますが、また別の機会に。


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