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【カイロ】アラブ本格料理が楽しめる“肉の家”レストランでマクルーベ

更新日:7月24日


ここ数年、エジプト、特にカイロのレストランの発展具合は目覚ましいものがあります。

一般的に、アラブ・中東地域の外食産業は、例えば日本をはじめとするアジア諸国に比べると、それほど盛んではないという見方もあります。もちろん、カイロなどの都会に行けば、店の数は数えきれないぐらいありますが、外食で食べらるメニューはだいたい決まっていて、家庭で食べられているような料理には出会う機会がなかったり、エジプト料理以外のお店は意外と少ない(シリア料理店は多いですが…)といった具合でした。


それが、ここ数年の間に、家庭料理を出す店やエジプト料理以外のアラブ各国料理の店がぐんと増えた印象です。


今回紹介する「ベイト・ラハム」も、そのような、ニュータイプ(私調べ)のレストランと言ってもよいお店です。


ベイト・ラハムはアラビア語で「肉の家」という意味ですが、パレスチナの都市ベツレヘムをアラビア語で表すと、ベイト・ラハムとなります(もともとアラビア語ですが)。そのため、アラビア語が少しでもわかる方はベツレヘム?ではパレスチナ料理店かな?と思うかもしれません。

しかし、このお店は特にパレスチナ料理店というわけではなく、お肉とをメインとしたアラブ各国料理を扱うお店のようです。

入り口はこぢんまりしている印象で、テラス席もいくつかありました。

1階はテーブル席になっていました。


2階は大人数でも安心な座敷席。靴のままでよいみたい。

余談ですが、アラブの座敷は料理も床に置くことが多く、正直食べにくいし足も疲れるので、私はあまり好きではないのですが、ここはテーブルもしっかりあって、靴も脱がなくていいなんて。エジプトではタブレイヤという、ちゃぶ台のようなテーブルを使うこともあるのですが、もう少し低い印象です。もしや、これもカイロっ子のテーブル生活に合わせて進化したスタイルなのでは。


座敷の奥にはボックス席や2人用のテーブル席です。

アラブっぽい雰囲気がありながらも、コテコテではなくポップな色使いがあるなど現代的。


メニューは定番のエジプト料理やグリルの他、パレスチナのマクルーベ、ヨルダンのマンサフ、モロッコのクスクス、リビアのムバクバカなど、アラブ各国の代表料理が色々あります。

そうなると、どの料理も中途半端な仕上がりなのでは、と思ってしまいますが、この記事によると、パレスチナ料理にはパレスチナ人のシェフをと、それぞれの国出身のシェフがいるみたいです。


もう、すっごく、すっごく迷うのだけど、ここはパレスチナのマクルーベを。

マクルーベ(マクルーバ)って、最近日本でもちょっと話題になっているみたいだけど、実はエジプトではそれほど一般的ではありません。もちろんエジプト人でもマクルーバぐらい知っているし、家で作る人もいるのですが、エジプト料理です!とはちょっと言い難い。

カイロではパレスチナ料理店でマクルーべがメニューにあるぐらいで、普通はお店では見かけません。


お店のメニューの「パレスチナのマクルーベ」の欄には、チキン、1/3㎏牛肉、1/3㎏羊の3種類があり、“ナスとじゃがいものスライスがのったパレスチナ式のマクルーベ”との説明が。

ここは、贅沢に羊で!一人だけど、お肉1/3㎏なら、何とか食べられるかな、と思っていたのですが…。


マクルーベの前に、おなじみのサラダ類を。

サラダや前菜もいろいろあり、迷っていたら、じゃあ、とりあえず無料のを持ってきますね、と。

定番の野菜サラダ。


きゅうりのピクルスも定番。酸味がまろやかで美味しい。


タヒーナとパンも。

パンは食べてしまうと、マクルーバが食べきれなくなる予感がして、今回は手を付けませんでした。


メインのマクルーベがやってきました。って、え!鍋ごと!?

いや、当然知っていますよ。マクルーベは鍋をぱかっとひっくり返して盛り付けるからマクルーベ(ひっくり返った、の意)なんだと。

でも、今までベイルートやダマスカスのお店や、カイロのパレスチナ料理店なんかで食べたマクルーベは、普通のお皿に普通に盛り付けられたもので、ぱかっとした状態で盛り付けられたマクルーベはちょっと記憶にない。

ナイフでなべ底や側面をチンチンたたいて。この動作もマクルーベを盛り付ける時には当たり前にするのだけど、ちょっとパフォーマンスっぽい。

開店直後で、お客さんも殆どいないのだけど、ちょっとこっ恥ずかしい。

ぱかっと、ごはんが現れました。


ぼわっと湯気が立ち上がり、一瞬目の前が真っ白に。いい匂い~。


長粒米が主ですが、日本と同じ短粒米もちらほら混ざっていました。

じゃがいもとナスが思いの外たっぷり。特にじゃがいもはねっとり甘く非常に美味。


羊はごろんと骨付きですよ。骨の際の部分がおいしいよな~。

お肉は柔らかく、骨からするっと外せます。

ごはんにも旨味がたっぷりで、油にまみれてはいますがするする食べられます。

こういうアラブ料理のごはんものって、たとえ肉がドーンとのっていても主役はあくまでもお米のような気がします。とにかく米がうまい。


お店の雰囲気もすこぶるよく、なにより店員さんのテキパキとした接客が気持ちよい。

接客を担当してきれたのは、若い女性でした。今回1年半ぶりにカイロを訪れて、飲食店に女性の店員さんが増えた印象があります。

それを含め、カイロのレストラン事情については、今回明確な変化を感じたので、そのことについてはまとめて書きたいな、と思っています。


このお店があるのは、カイロ東部は空港にも近いヘリオポリスのコルバという地区。

この辺りは建物が独特で、オシャレなカフェがたくさんあります。フランスのパン屋「ポール」もありますよ。

実はカイロに住んでいるときは、あまり来たことのない地域だったのだけど、なんとももったいなかったです。カイロのおしゃれエリアだと、ザマーレクとも、モハンデシーンなどが思いつきますが、それらとはどこか違う、落ち着いた雰囲気。もっと散策したいな。


観光地ではないので、一般の旅行でこの辺りに立ち寄ることは少ないと思いますが、重要な教会などが多いのもこの地区の特徴かもしれません。


お店の情報

Beet Lahm

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