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【リビア料理】お鍋ひとつで完成!リビア人に教わるパスタ「ムバクバカ」

更新日:2022年3月8日


リビア料理といえば、カイロにあるリビア料理食堂でほんの数回食べたのと、なぜかエジプト人の友人が一度作ってくれたぐらい。北アフリカの料理でおなじみのクスクス、ジャガイモにひき肉をはさんだ「ムバッタン」、そしてパスタの料理「ムバクバカ」…。そのぐらいの物しかイメージになく、エジプトとはお隣の国であるものの、遠い存在でした。

ところが、ひょんなことからリビアはベンガジ出身の女性と知り合い、なんとなんと、料理を教えてもらえることに!わーい!早速おじゃましてきましたよ!

今回教わった料理のひとつが「ムバクバカ」。

簡単に説明すると、味のベースとなるトマトスープを作り、その中に直接パスタを入れて煮込む料理です。

言うまでもなく、今や世界中でパスタは食べられていますが、まず茹でて、それからソースに絡める…。それがパスタの作り方。簡単料理として日本だとフライパンで一緒にパスタとソースを調理する、というのもありますが、あくまでも裏技的な方法のような気がします。

そういうわけで、エジプト人の友人が「ムバクバカ」を作ってくれた時は目からウロコでした。いや、調理方法にびっくり、と言うよりも、あくまでも(私の感覚の中で)簡単裏技的な方法が、リビアではごく普通の調理方法として根付いていることにです。

だからリビア人女性から「今日はムバクバカね」と言われたときは、おお、やっぱりリビア料理はムバクバカなのか!と妙にうれしかったのです。

と、前置きはこれくらいにして。

早速ムバクバカを作ってみましょう!

まずは玉ねぎ2個をざく切りにして油で炒めます。

全体に油がまわったら、鶏肉を加えます。今回は鶏半羽を骨付きで使いましたが、好みの部位でOK。羊や牛肉でも大丈夫です。

チキン煮込み

鶏肉の表面の色が変わったら、トマト丸ごと2個、トマトペースト、ミックススパイス、ターメリック、粉唐辛子を各大さじ2杯加えます。

チキン煮込み

全体にスパイス類がなじんだら、かぶるぐらいの水、唐辛子2本、塩を加え鶏肉に火が通るまで煮込みます。今回は圧力鍋で作りましたが、普通の鍋の場合は40分ぐらい煮込むとよいです。

チキン煮込み

スパゲッティー500gは一口サイズに折ります。ペンネなどのマカロニを使うこともあります。

スパゲッティー

おいしいスープができあがったら、鶏肉を取り出し、ざるでスープを漉します。

残った玉ねぎや唐辛子は捨ててしまうので、上からお湯をかけて洗うようにするとよいです。

トマトスープ

漉したスープをトマトペースト、水、塩を適量加えて沸かします。

スパゲッティーを加えて軽く混ぜ、ふたをして極弱火で炊き込みます。

トマトスープ

スパゲッティーが柔らかくなったら完成。アルデンテとかではなく、完全に柔らかく仕上げますよ。

スパゲッティー

取り出しておいた鶏肉は、塩こしょうをふって、油を全体にまわしかけて軽く焼きます。オーブンに入れてもいいですよ。

チキン

お皿に盛って完成!

ムバクバカ

唐辛子とショウガ(後述します)のおかげか、かなり辛い!ですが、唐辛子の直接的な辛さよりは、ポカポカするようなショウガ感がすごいです。結構汗をかきます。

そうそう、このムバクバカ、実は彼女の出身地ベンガジでは普通にマカローナと言うそう。

・リビアのミックススパイス

ハラーラート

リビアではミックススパイスのことを「ハラーラート」と呼んでいます。


配合はいろいろなのですが、今回教わったお宅では、ショウガ、シナモン、カルダモン、黒こしょう、ナツメグ、リョウキョウ、シャイバ(ヨモギの仲間?キクラゲみたいなのです)を挽いて使っていました。

人によっては月桂樹、バラの花びら、丁字などを加えることもあるんだとか。

エジプトやシリア、レバノンなどでもミックススパイス(ブハーラート、7スパイスetc…)をよく使い、こちらも配合は様々で一定の決まりはありません。

リビアとエジプトなどのミックススパイスの違いは、ショウガ、リョウキョウの割合の多さではないでしょうか。

特にリョウキョウは辛み成分が強く、これによって、体が温まるようなポカポカとした辛みが加わるのだと思います。

一方エジプトなどではリョウキョウは普通は使いません。

リビアのスパイスを体験したのは今回が初めてなので、これだけでリビアのスパイスです!とは言い切れませんが、いくつか調べた結果、どうやらハラーラートにはリョウキョウが必ず使われているようです。

ちなみにリョウキョウはアラビア語で「ホーレンジャーン」または「ウード・ラハム」といいます。リビアでは「ウード・ラハム」の方が一般的のよう。

ところでリビアはイタリアの植民地だった歴史を持ち、そのため様々な分野でイタリアの影響を強く受けている、なんて聞きますが、実際どうなのでしょう。

彼女曰く「イタリア語?すごい昔はできる人もいたけど、今はそんなことないでしょう。やっぱり英語じゃない、あとフランス語とか。でも普通の(アラビア語)の単語の中でイタリア語を使うことはあるかな。例えば、台所はクッチーナって言うしね。イタリア料理の影響…、うーん、ピザやパスタはどこの国でもあるでしょう。」とのこと。あくまでも彼女の意見なのですが。

遠い隣の国リビア。何だか興味が出てきました。



追記 シャイバについて シャイバはアラビア語でヨモギの一種を意味する言葉です。 呼び方は、シーバ(シャイバと同じ綴り)、シャワイラー、など複数あり、モロッコではお茶にも使われるほど一般的なようです。 この記事を書いた当初は、ハラーラートに使われるこのシャイバは、このヨモギを乾燥させたハーブだと思ったのですが、その見た目などから、インド周辺で使われる苔を乾燥させたスパイス「カルパシ」(Kalpasi、Black stone flower、etc...)ではないかと思われます。

アラビア語で調べると、当然ながらシャイバはヨモギという結果が多いのですが、苔である、という結果もちらほら登場します。

もちろん苔にも種類があるので、カルパシと全く同じではないと思われますが。 ちなみにシャイバはカイロでも売られているのを見かけましたが、使用頻度は多くないと思います。今回のようにリビアの他湾岸でもよく使われるようです。 湾岸では「カッダ」という呼び方もあるようです。





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