砂漠のイメージが強い(実際砂漠が多くを占めるのだけれど)アラビア半島ですが、意外にも多くの主要都市は海に面しているのです。オマーンの首都マスカットもその一つ。古代から良港として名を残し、軍事的にも貿易でも重要な港だったと言います。
マスカット東部のムトラ(マトラフetc…)地区は現在までも賑わうスークがあり、そこから海沿いに沿って北に進むと魚市場があります。
古くからの魚市場ですが、現在の建物は2017年にオープン。まだまだピカピカの新しい市場です。
緩やかな弧を描くように各ブースが配置され、非常に清潔感があります。
これなら、魚にうるさい日本人も安心して買えるのでは。
マグロのようなカツオのような魚。
アラブ(エジプト)は、マグロとカツオを厳密に区別しない傾向があります。
どちらも「ツナ」。もちろん学名レベルでは呼び分けされているのでしょうが、一般的にはそこまで気にする人は多くありません。魚屋であっても、正式名を知らなかったりすることもある程。
値段を聞くとキロあたりの価格を教えてくれます。
見たことのない陽気な魚もいます。
基本的には魚は1匹まるごと買う必要がありますが、 “ツナ”はぶつ切りでも売ってくれるみたい。
その隣はオマーンでよく見かける「キングフィッシュ」。アラビア語では「カナアド」。日本語だと、ヨコシマサワラ、ヒラマサ、ブリなどがそれに相当するよう。
豪快に輪切りにして、スパイスと小麦粉をまぶして揚げたり、米と一緒に炊き込んだりします。
切れ端をもらいました!久しぶりの新鮮なマグロ。ああ、おいしいなぁ。醤油とワサビがあれば最高!これ、住んでいたら買っちゃうな。
エジプトでもほんの時々、生で食べられそうな魚があれば刺身にして食べていますが…。エジプトの魚屋って、めちゃくちゃ汚いんです。家の近所の魚屋一つは隣が生きた鶏屋なのですが、ギュウギュウに檻に入れられたニワトリが、その魚屋のサバに思いっきり糞をしていてですね、まぁ、そのぐらいめちゃくちゃなのですよ。
魚屋に限らず、どこも汚い。正直、もうちょっとどうにかならんかね、と思うのです。
エジプトと比べても仕方のないことをつい。
他の湾岸諸国にはほとんど行った事がないのですが、それらの国での労働者の多くは外国人、自国民はせいぜい管理職、といった話を耳にします。しかしながら、オマーンは意外にもオマーン人も働いています。この魚市場で働く人々もオマーン人ですね。クンマという民族帽をかぶっています。
スーパーのレジなども外国人、オマーン人の両方目にします。
タクシーやバスの運転手はオマーン人のみという法律もあるとのこと。こちらは職の確保という目的なのでしょうか。
買った魚は専用カウンターでさばいてもらえるようです。
日本人としては、その頭も煮付けて…などと思うのですが。魚の食べ方は日本がどう見ても世界一。肉はまだまだですけどね。羊の頭を茹でて食べるなんてしないですもんね、普通は。
「 魚の購入は最後に行い、帰宅後は直ちに冷蔵庫に入れましょう」という看板。
市場の裏に出ると、小さなボートがいくつも。
砂浜から上がってきたボートで作業が始まります。
ピチピチともがく魚を網から外します。
なんの魚だろう。ショウガ醤油で食べたらうまそう。
入り組んだ湾であるこの魚市場。
波はほとんどなく、静か。
魚市場の他にも野菜や乾物を売るスペースがありますが、こちらはかなり小規模です。
煮干しのような乾燥魚。
オマーン料理にも使われます。
スークの前は桟橋が延びています(ここから船は出ないと思いますが)。
迫り来る山と海のコントラストがマスカットらしい。
海をのぞくと、魚の大群が!
スイミーかな。