インドからの移民が多いオマーンですが、非常に大きな国土を有するインド。一言でインドと言っても地方によって言葉や習慣などが違うのは言うまでもありません。
例えば北西部に位置するグラジャート州は、菜食主義者が多いインドの中でも、特に厳格に守られている地域なのだとか。
と、そんなことは知らずに、遅い朝食にとふらっと立ち寄った食堂が、ベジタリアンレストランであり、グラジャート料理を出していたのです。
表から見えるショーケースには、インドのスナックがいっぱい。
こういうスナックは、スーパーでも普通に売っています。思ったよりもインドだな、オマーンって。
メニューは特になく、好きな料理と数を頼むのだそう。
厨房を見せてもらいました。
これは豆で、こっちはジャガイモ…。わぁ、どれもおいしそう!
小さな食堂ですが、厨房はなかなか広い。
小さなターリーに汁物が2つ。
手前は豆で、奥が野菜。チャパティもセットです。
豆の方は、むむ、何か甘い。ちょっと予想外の味。でも不思議とクセになる味。ちょっと酸味もある気がします。
野菜の方は、酸味が主な味のベース。でも薄っぺらではなく、旨味も十分に感じます。やるな、グラジャート。
ああ、インドに行ってみたい。
店主のおじさんはグラジャート出身かどうかはわかりませんが、ヒンディー語、アラビア語、英語に堪能で、マスカットにかれこれ40年はいるとのこと。グラジャート州出身なら、グラジャート語も出来るのかな。
食後はミルクティーも飲めます。
お茶と言えば、マスカットには簡単な喫茶店が多い。
疲れたら気軽に休憩が出来ます。
オマーンでシャーイ(お茶)と言うと、大抵はミルクティー。ちょっとスパイスの効いた、インド風なのです。それを小さめのカップで飲みます。
ところでこのカップ、かわいくないですか?
どこに行っても、シャーイのカップはこれでした。オマーンカップ。
裏にはアラブコーヒーのポット。
この紙コップを探して、梱包材屋さんなんかを見たのだけれど、結局見つけられませんでした。残念。
マスカットのインド料理店は食堂風の庶民的なお店ばかりではありません。
インド人は出稼ぎの単身労働者だけではなく、ホワイトカラーの職に就くなど、裕福なインド人も多いのです。
「Woodlands Restaurant」はそんな彼らに人気のお店の一つ。
店名よろしく、木がふんだんに使われ、ぬくもりのある内装でくつろげます。
一品目はほうれん草のスープ。ほうれん草の独特のえぐみがほんの少し残っており、がっつり力強い。レモン汁を絞ると味が全く変るので不思議。
日本だとほうれん草はあく抜きもかねて茹でて使うことが多いと思うけど、アラブ料理なんかだとそのままグツグツ煮込んだりして食べるのです。インドもそんな風に料理するのかな。
定番タンドリーチキンは、めちゃくちゃジューシーでした!アゼルバイジャンはシェキの市場で食べたあのチキンを思い出す。
このお店、おいしい。
いわゆるカレーのような料理は種類が膨大なので、手っ取り早くターリーにしました。
ごはんは別添えで来ましたが、写真を撮るためお盆に盛り付けていたら真ん中のカレーに入ってしまいました。あ~。
インゲンのような野菜のおかずや、汁物っぽいサンバール?、豆のカレー、ほうれん草のカレー、ココナッツミルク、真ん中はゴロッとチキンが入ったカレーなど、盛りだくさん。
こういうターリーは何度か食べた事があるのだけど、毎回種類が違って、ごっちゃになってしまうのです、インド料理って奥深いなぁ。
ターリーにはチャパティとプーリも付いてきますよ。
そうそう、このお店には、庶民的なお店では置いていないナンもありますよ。
飲み物はフレッシュジュースやラッシーなどもあるけれど、ココナッツウォーターを飲むべし。
ハチミツ、ミント、ライム入りで、甘いのにさっぱり。
ゴクゴク飲みたいのに、なくなるのが惜しくてチビチビ飲んでしまう。
ちなみにこのお店はお酒も出しています。マスカットでお酒の飲める場所は非常に限られるので、これはありがたい。
オマーン人、インド人、飲んでいる人多し。
お客さんは圧倒的にインド人が多数。家族連れやビジネスランチ風のグループ、お値段もそこそこよいので、やはり裕福な層です。
でもサービスもよく、ゆっくり出来る、何より料理が抜群においしい。そりゃ人気店になるわな。