top of page

レバーも煮込みも!「王子」の名にふさわしい激混みレストラン

更新日:2023年2月9日


エジプトではレバーはかなり身近な食べ物で、屋台でも見かけるほど。

ジュクジュク炒め煮のようにして小さなコッペパンのような「フィーノ」にはさんでいただきます。

そんな安くて手軽な印象のレバーですが、なんとなんと、カイロでも1,2を争う人気レストランにレバ一押しのレストランがあります。

その名は「ケブダ・プリンス」。ちなみにケブダとはアラビア語でレバーのこと。

1980年に創業したこのお店はカイロで誰もが知っていると言っても過言ではなく、レバーはもちろん、煮込みなどもおいしく、週末の夜になると道にテーブルを並べてもあふれ出るお客で大混雑の超人気レストランでした。

しかしながら、2014年閉店。傷んだ肉を使用したことが原因のようです(そして、お決まりのように、ロバの肉を使っていた、なんて噂も流れましたが)。

その後、3年の時を経て2017年に見事復活。不祥事や噂などはものともせず、依然と変わらず超人気レストランに返り咲いたのです。

お店の歴史はこれぐらいにして…。

席に案内されると、前菜が運ばれてきます。

揚げナスやピクルス、ルッコラ、チーズの古漬けなどのプレート。

揚げ茄子はニンニクたっぷり、でもお酢が効いていて、意外とさっぱりしています。

この前菜だけでもパンがすすむ~。

他にも定番タヒーナ(白ごまペースト)や、ババガンヌーグ(焼きナスのペースト)、トマトサラダなどがきます。

有料なので、もちろんいらなければ断ることもできますよ。

前菜をつまんでいると、注文したものがどどど~とやって来ます。

こちらはイチオシの牛レバー。た~ぷりのサムナ(澄ましバター)で炒めてあります。

レバーがメインですが、その他の内臓も入っています(メニューに、レバーのみはありません、と書いてあります)。

この日はありませんでしたが、ラクダのレバーもおすすめ。

私は実はレバーが好きではないのですが、ラクダのレバーはちょっとタンのような歯ごたえで、あっさりしていて食べやすいのです。

お皿には「味に歴史あり」とあります。確かに。

普通のお肉もありますよ。

思ったよりも柔らかいお肉に、これまたたっぷりのサムナが絡みます。

エジプト料理でお肉というと、炭火焼きのケバブが頭に浮かびますが、このお店は炭火焼きではありません。鉄板でジャカジャカ炒めるタイプの料理です。

そして、メニューにもよりますが、125g(8分の1㎏)から頼めます。

250gから、というお店が多いですが、この量だといろいろ食べられますね。

鉄板焼き系だと、この他にスゴッ(ソーセージ)や、睾丸、お肉のホイル焼きなんかもあります。しかしながら、睾丸はお店に行くたびに注文しているのだけど、まだ1度も食べたことがありません。いつあるんだろう。

煮込み料理「ターゲン」もおいしいですよ。

この日はオクラとお肉のターゲンを注文しました。

写真ではわかりづらいですが、グツグツ、オーブンから出したての状態でやって来ます。

大きめにカットされたお肉がほろほろ、オーブンの中で濃縮されたトマトソースが、脂となじんでオクラに絡んで、熱い!けど、スプーンが止まらない!

とりあえず素焼きの器に入れて、オーブンでちょっと焼きましたよ、みたいな、全然混沌としていないターゲンを出すお店も多いのですが、ここプリンスは違います。

肉炒めも前菜も、煮込みもおいしいけど、実は私がプリンスで一番おいしいのではないかと思っているのがご飯なのです。

シャイリーヤが炊き込まれた、どこでも見かけるようなご飯なのですが…。

これが!サムナたっぷり、塩加減もちょうどよい。まさにやめられなくなる味なのです。

今時こんなサムナの味が濃いご飯、なかなかない、と思う。

そして、自分で作るときは、ここまで思い切れない、と思う。

日本人的には量が多いので、大抵はシェアするのですが、「いいよいいよ、食べなよ」なんて言いながら、本心では、「早くこっちによこしなさい」とウズウズしてしまうのです。

パンがあるから~、ご飯はいいよね~、なんて言わずに、これは頼んだ方がよろしい。ターゲンの脂たっぷりの濃いトマトソースにも合うしね。

ふ~、料理が出そろいました。

2人ぐらいだとこのぐらいの量がちょうどいい。

薄焼きパン「アエーシ」にひき肉をはさんで焼いた「ハワウシ」はお土産に。

ハワウシって、ひき肉が入っていないパンの縁のところが結構おいしいと思う。

肉の脂がいい具合に染みこんで、ぬれせんべいみたい。

モロヘイヤ

そうそう、モロヘイヤもおいしいのですよ。

作りたてのモロヘイヤに、ニンニク油(タッシャ)がたっぷり。

ちなみにモロヘイヤは、スープのカテゴリーではありませぬ。ああいう見た目だけど、あくまでもメイン扱いなのです。

スタッフ

お店のスタッフはテキパキして好感が持てます。

右上の写真の男性が(名物)オーナーですが、お店の雰囲気って、オーナー次第なのですよね。エジプトに限ったことではありませんが。

プリンス

この日は昼間に行ったので、待たずに入れました。こ、こんな静かなプリンスは初めて…。

夜、特に週末はすごいことになるので、心して行くように!

店の前の道にテーブルが並べられ、手書きの番号札をもらう人で大混雑。

拡声器で番号を告げる声、まだかまだかと詰め寄るおじさん。

混乱のエジプトの雰囲気が楽しめますよ~、とも言えるのですが、さすがにもう在住6年目。できれば混乱を避けて穏やかに暮らしたいと思う今日この頃なのです。

混乱の様子、いや、お店の場所などはこちらをどうぞ!

最新記事

すべて表示

Comments


​おすすめ記事

bottom of page