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お金持ちになっても食べたい「ムジャッダラ」

更新日:2021年5月26日


レンズ豆とお米のシンプルな料理「ムジャッダラ」。素朴なアラブの豆ご飯です。

ムジャッダラとは、アラビア語で「あばたのある」という意味。食べ物の名前にしては少しクセがありますが、なるほど茶色のレンズ豆があばたに見えるのでしょうか。

この料理はシリアやレバノン、パレスチナなどで主に食べられています。

肉が買えない人の貧しい料理と言われ、万が一お客さんに出すようなときは、ムジャッダラでごめんね、と決まり文句のように言われます。

家にある材料で簡単に安く作れるので、家庭でよく食べられていますが、キリスト教徒は断食の期間中、ユダヤ教徒は木曜の夜に食べるなどの伝統もあります。

旧約聖書に登場するエサウの好物とも言われています。 エサウが「レンズ豆の煮物」と引き替えにヤコブに長男の座を明け渡した話がありますが、このときのレンズ豆は「赤いもの」と言われているので、現代のムジャッダラとは違うのかな。

レバノンでは「ムジャッダラ」と「ムダルダラ」の両方の呼び方があります。

「ムジャッダラ」と言った場合、レンズ豆とお米、またはブルグルのペースト状の料理のことを指す場合があります。

古くは 13 世紀に書かれたバグダーディー著【料理の書】に登場し、そのレシピは肉を使っているものの、サフランで色づけしない米料理、とわざわざ書かれていることから、やはり質素な料理とされていたのかな、なんて思います。

エジプトだと似た料理に「コシャリ」があります。

簡単に言うと、このムジャッダラにマカロニやスパゲッティーを加え、トマトソースをかけたもの。エジプトの国民的料理ですね。

コシャリは比較的新しい料理なのですが、このムジャッダラから派生した…というわけではないようです。

しかしながら、現代の少し古いアラビア語のレシピ集(変な言い方ですが)には、ムジャッダラとコシャリが混同されて掲載されていました。

1941年にエジプトで出版されたナジーラ・ニコラ著「料理の基礎」には、「レンズ豆のコシャリ」というレシピがありますが、マカロニは入っていません。ムジャッダラと同じ料理です。トマトソースはオプションでつけるようです。

2003年に同じくエジプトで出版されたマグダ・マホダウィー著「おばあちゃんの台所」では、ムジャッダラ(エジプト風に読むとマグダラになるのでしょうか)はいわゆるコシャリのレシピとなっています。括弧でレンズ豆のコシャリと名前の補足があります。いつかまでの時代は、エジプトでもムジャッダラという言葉が一般的だったのでしょうか。現在は圧倒的にコシャリですけどね。

材料 米…250cc(210g)

レンズ豆 …150cc(130g)

玉ねぎ …200g

オリーブオイル

塩 … 小さじ1

作り方 ① 米は洗い、30分水に浸け、ざるにあけて水を切る。レンズ豆は軽く洗い、柔らかくなるまで水から茹でる。ざるにあけ茹で汁は取っておく。

② 玉ねぎを薄切りにし、多めのオリーブオイル(大さじ 5~6 ぐらい)でゆっくり炒める。濃い茶色になった ら、ざる、またはキッチンペーパーの上に出す。

③ レンズ豆のゆで汁を 470~400cc (レンズ豆のゆで加減による)計り鍋に入れる。玉ねぎの炒め油大さじ 2、塩を加え、沸騰させる。レン ズ豆、米を加え、軽く混ぜふたをして弱火で約 15 分、米が柔らかくなるまで炊く。

④ 炊きあがったら軽く混ぜ、皿に盛り玉ねぎを上に飾る。 米とレンズ豆の割合は好みに応じて加減してください。多くのレシピでは容積で 米とレンズ豆が2:1~2:1.5 ぐらいです。

スパイスは一般的には使いませんが、クミンなどを使う場合もあります。

米の代わりにブルグル(挽き割り小麦)を使ってもおいしいです。

ヨーグルトをたっぷりかけると、さっぱり食べられますよ。

※水の量を修正しました。

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