あの年のラマダーン 2014年版

最終更新: 9月21日


フェイスブックページ【アラブでお菓子のハナシ、ゴハンの時間 Yummy Araby】では、毎年ラマダーンに関する投稿をしてきました。

年ごとに微妙に雰囲気が変わり、そして、私個人的にもラマダーンに対して感じることが少しずつ変化しているように思います。

2014年はどんなラマダーンだったでしょうか。

少し振り返ってみることにします。

2014年6月21日

左からタマルヒンディ(タマリンド)、アマルッディーン、ホッルーブ(キャロブ)。

2014年7月5日

ラマダーンのお楽しみと言えば、何といっても日没後の食事“イフタール”ではないでしょうか。のどの渇きを冷たい水やジュースで潤して待ちに待った食事に入ります。 ラマダーン中の約一か月間、毎晩豪華な食事でパーティーのような日々が続く、などとよく言われますが、実際はどうなのでしょう。

数人の友人知人に聞いたところ、みんな口を揃えて「絶対そんなことはない!」とのこと。確かにラマダーン中は普段より来客が増えるし、当然そういう日はたくさん料理を作るけど、家族だけのときは、いつもと変わらない食事をするそう。

友人A「昨日は、まとめて作っておいたブサーラ(ソラマメとハーブのペースト)とパンとサラダで、特に料理はしてないよ」 友人B「ラマダーン中は毎日料理するけど(アラブ人は毎日料理せずに、まとめて何日分かを作って食べる人も多い)、お客さんが来ない日は普段と同じだよ。ちょっと大目に作るぐらいかな。でもお菓子や飲み物はいつもより沢山買ってあるよ」 友人C「昨日はモロヘイヤとえーっと、前の日残りのチキンだったかな。クナーファとカターイフも食べたよ」 などと、各家庭いろいろですが、夜な夜なパーティーは誇大妄想のようです。

友人宅のイフタール。お昼すぎから一緒にお手伝いさせてもらいました。コフタ(細長いハンバーグ)、フライドチキン、マハシー、ナスのベシャメルソース、ナッツ入りごはん、コールスロー、揚げナスのサラダ。

“ホシャーフ”という、アプリコットジュースにドライフルーツとナッツを入れた飲み物。ラマダーン月の定番。

2014年7月11日 

ラマダーン月の街の様子は、人々が食べたり煙草を吸っていないということやお店が飾り付けされているなどということを除けば、意外と普通です。 職場によっては勤務時間の短縮、変更があるものの、もちろん仕事もあります。

大都会カイロでは外資系ファストフードチェーンや、スターバックスのようなおしゃれカフェはもちろん、数は多いとは言えませんが庶民的カフェやジューススタンドなども営業していることがあり、意外なことに、そこそこ繁盛しているよう。

ある日の昼下がりのマクドナルドでは、客席の半分ぐらいが埋まり、いつものヒジャーブ(頭に巻くスカーフ)の店員さんが接客をしています。お客さんの中に子連れのヒジャーブの女性がおり、おやっと思ったのですが、どうやら子供だけ食べていて彼女は見ているだけのようでした(子供は断食をしなくてもよい)。

また、あるジューススタンドでは、近所のファストフード店の制服を着た若い女性がタマリンドジュースを一気に飲みほし、「どうもね!」と足早に去って行きました。

夕方4時ぐらいになるとお店などは閉店し始め、帰路につく車で道が込み合います。 ホールケーキが入っているのでしょうか、巨大なお菓子の箱を抱え地下鉄への階段を急ぐおじさん、コーラのボトルが4,5本入ったスーパーの袋を揺らしながら、もう片方の手で小さな子供と手をつなぎ、ゆらゆら歩いているおばさん。 この時間になると、ちょっとした疲労感と慌ただしさのようなもので街が包まれるような気がします。

そして日没1時間前の夕方6時ごろになると、レストランに続々と人が集まり始めます。 お店によってはラマダーン限定のビュッフェやセットメニューなどを提供しており、いずれにしても一番苦しい時間にもかかわらず、お店は怒涛の忙しさ。 そして日没。モスクからアザーンが流れ、食事の開始です。 一気に水やジュースを飲み干す人、煙草をくゆらす人、この時はあまり会話はなく、束の間の静寂が漂います。

一般商店も次第に開きはじめ、ラマダーンの夜は更けていきます。

日没前のケバブ屋さん。

ラマダーンのランタンで飾り付けされたシャワルマ屋さん。

2014年7月16日

早いもので、ラマダーンも半分が過ぎました。 ラマダーンの時期にしか食べない料理というのは特にないのですが、特別セットがある店や、ビュッフェをやっている店も多いので、いろいろ試してみるのも楽しいものです。 通常メニューの店でも、タマリンドジュースなどの用意があるところが多いです。 1時間以上前から席が埋まっていくので、早めに行くのがよさそう。

この1か月間、飲食業界は1年で最も忙しい時期ではないでしょうか。 レストランはもちろん、お菓子屋、庶民的なスークまで、人でごった返しています。 しかし、その一方で腐らして捨ててしまう食べ物の割合が増えるのもこの時期だそうです。 (アラブでは食事を残すのが礼儀と言われ、実際にレストランなどでもたくさん注文し、食べ残して帰る場面を見かけますが、家庭ではもちろんそうではありません。日本と同じように、残った料理は保存して食べきります。)

イエメン料理レストランのイフタール。 イエメンではひき肉などの具を生地で巻いて揚げた“サンブーサ” をイフタールに食べるそうです(中央)。 いつもはメニューにない、ラマダーン特別メニューです。

ケンタッキー・フライドチキンのイフタールセット。 普通じゃん、と思いきや、ドリンクはアマルッディーン、デザートもアマルッディーンのプディング。


​おすすめ記事

© 2016 アラブでお菓子のハナシ、ゴハンの時間