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エジプト古き良き時代 クルミのソース「シャルカスィーヤ」

更新日:2020年9月21日


エジプト料理と言えば、まずトマト。そして羊、スパイスを巧みに使う…なんて思う人も多いのではないでしょうか。確かにトマトはサラダに煮込みに、何かしら毎日口にする食材で、街を歩けば炭火焼き肉のいい香り、スパイスもまぁ、(日本よりは)使います。

しかしながら、私がエジプト人に「好きなエジプト料理は何?」と聞かれて、あれこれ迷うふりをしつつ答えるのが「ブサーラ」とこの「シャルカスィーヤ」。

特に狙った訳ではありませんが、トマトも使っておらず、羊肉やスパイスががっつり効いた料理と言うわけでもないのです。

エジプト歴が浅い外国人でもとりあえず知っているマハシーコシャリなどと言うよりも、一目置かれるという下心がないわけでもありませんが、何というか、少し上品で古きよき時代を思わせる料理が好きなのです。

シャルカスィーヤは茹でたチキンにクルミのソースをかけた料理。コクのあるソースがとーってもごはんに合います。

とろみの素はなんと食パン。これが他の料理にはない独特の風味を付けています。

間違いなくエジプト料理なのですが、例えば若い子などは知らないことも多々あります。私の狭い狭い行動範囲内で聞いた限りでは、大学生なんかは、シャルカスィーヤ?何それーという反応が圧倒的多数なのです。

年配の人はだいたい知っているので、亀の甲より年の功、なのでしょうか。決して廃れきった古くさい料理ではないのですが、確かにマハシーのようないつもの料理という雰囲気とは少し違うような。

くるみも結構高いしね。

アラビア語でチェルケス人(北コーカサスに起源を持つ民族で、 現在はトルコやロシアなど、多くの地域に散らばっている)という意味のこの料理。この地域はクルミを多用する料理が多いことからこの名前が付いたと思われます。

そういえばイランやグルジアなどを旅行したときにも似たような料理に出会いました。

イランではクルミとザクロのソース「フェセンジャーン」、グルジアでは「ハルチョ」や「サツィヴィ」という料理で、いずれも砕いたクルミにチキンなどのスープで作るソースが絶品でした。

特にグルジアではクルミを使った料理が多く、まさに前菜からデザートまで、クルミづくしということもありました。

話はエジプトからそれましたが、シチューでもカレーでもない、新しく懐かしいシャルカスィーヤ。ごはんがすすむ料理です。

材料

鶏ムネ肉… 2 枚(500g)

玉ねぎ… 0.5 個(50g)

カルダモン …3 個

ベイリーフ… 2 枚

塩…小さじ 1

こしょう

<クルミソース>

クルミ… 125g

食パン… 100g

牛乳…250cc

鶏肉の茹で汁… 500cc~

ニンニク… 2 かけ★

ドライコリアンダーシード … 小さじ 1★

澄ましバター… 大さじ 1★ 作り方

1. 鶏肉、適当な大きさに切った玉ねぎ、カルダモン、ベイリーフ、塩、こしょう、水を鍋に入れ、30 分ほど 茹でる。途中灰汁を取る。鶏肉を取り出し、スープを漉す。

2. 食パンを適当にちぎり、牛乳に浸す。

3. クルミをフードプロセッサーで細かい粉末状にする。牛乳に浸した食パン、スープから取り出した玉ねぎ を加え、滑らかになるまで撹拌する。

4. 鍋に鶏肉の茹で汁を温め、3を加える。弱火にかけながらかき混ぜながら、とろみを調製する。

5. 鶏肉を適当な大きさに裂き、鍋に加える。

6. 小さなフライパンに、★の材料を入れ、ゆっくり炒める。香りが立ったら、鍋に加え、ジュッと音をさせる。一煮立ちさせ、塩、こしょうで味を調える。

7. 温かいご飯にかけ、好みでパプリカパウダーを振る。

鶏肉はももや骨付きなど、好きな部位でもできます。

牛乳の一部をクリームにするとよりリッチな味わいになります。

鶏のゆで汁はまず500ccぐらい温め、クルミペーストを加え、好みに応じて少しずつゆで汁を加えていきましょう。

最近はナッツの高騰が激しいためか、クルミの代わりにカシューナッツを使ったお店もありました。こちらもなかなか美味しかったです。


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