【ギリシャ】4年越しのレストラン


ギリシャを初めて訪れたのは2013年の8月。5泊、正味4日間の短い滞在だったので、ずっとアテネにいて、街をウロウロ、おいしいもの探しに夢中でした。

思えばその2013年の夏は、エジプトはザワザワしていて、もしかしたら退避命令が出るかもしれない!というなかでのギリシャ旅行。実際ギリシャからエジプトに戻ってすぐに退避命令が出てしまい、その10日後にはヨルダンはアンマンに移動、約1ヶ月をそこで過ごしました。

あの目まぐるしい夏から4年。偶然にも同じ時期にまたギリシャに行けるなんて、なんだか感無量!そして、この4年間、アテネのとあるレストランの再訪を夢見て過ごしてきたのでした。

ギリシャはとにかく食べ物がおいしい。それが前回訪れたときの感想で、料理もさることながら、素材が抜群においしいのです。特にレモン。ぎゅーっと絞ると、柔らかめの皮が手になじんで、どこまで果汁が出るのだろう、レモンジュースが爽やかな香りと共に飛び出してくるのです。

運悪く、いまいちな店のいまいちな料理に当たったとしても、その付け合わせのトマトの美味しさに驚くのです。

そのレストランとの出会いは全くの偶然でした。

4年前、初めてのアテネで到着が遅かったこともあり、いわゆる街の中心のザ・観光客向けのお店に入ってしまったのです。確かギリシャの代表料理「ムサカ」を食べました。まずくはないですがおいしくもなく。煮え切らない気分で、もう1軒寄って軽く食べて帰ろうと街をさまようのですが、なかなかここ!いうお店に出会えず諦めかけていたところに、一筋の光、ならぬ一軒の明るいお店が。もう遅い時間にもかかわらず、楽しそうに食事しているお客さん、シャキッとした料理をてきぱきと運ぶ店員。ここ、絶対おいしい!吸い寄せられるように店に入り、軽く食べるどころか、がっつり食べてしまい、その後もアテネ滞在中に毎日通ったのです。

そこはギリシャの気軽なレストラン「タベルナ」で、でもオシャレで、ギリシャ料理をベースとしながらも新しい調理法や材料を使った料理は、どれもこれもびっくりするほど美味しく楽しく、全メニューを制覇したい!という野望に後ろ髪を引かれながら、アテネを後にしたのでした。

このお店に行く為だけでも、アテネを訪れる価値がある、そう思い続けてはいましたが、もちろんおいそれとはいかず。それが、ひょんなことからアテネ再訪のチャンス到来。美味しいお店は世の中に数あれど、ここまで印象に残っているお店はそう多くはないのです。

現在アテネに4店舗展開しているこのお店ですが、旅行者が行きやすいのは街の中心、シンタグマ支店ではないでしょうか。週末の夜は予約が必須ですが、平日やピークを過ぎた時間は比較的入りやすい様子。

記念すべき再訪第一皿目は「エビとズッキーニとミントのリゾットマスティハ酒風味」。マスティハとはギリシャのヒオス島に生息する木の樹液で、ヒノキのような、スッとする独特な風味を持っています。

このリゾット、今までに食べたことのない味なのです。強いて言えば甘い。でもそこにエビの濃厚な出汁と、ミントのかすかな爽快感。何だろうこれ、楽しい、いや、美味しい。ちなみにマスティハ酒はスッとする香りとは裏腹に、甘みを感じる不思議なお酒で、好き嫌いがあると思います。偶然我家にもレバノン産のがあって、チキンのソテーにマスティハ酒とオレンジジュースを振りかけてソースを作るとおいしいのです。

別の日ですが、ギリシャの大定番「タラモサラタ」。魚卵と水で湿らせたパンがベースのペーストです。時々シャリッと感じる玉ねぎがいいアクセント。

ブドウの葉のドルマは濃厚なギリシャヨーグルトと甘酸っぱいレモンソースがよく合います。

このお店の名物料理「カタイフィとチキンとマスティハソース」。カタイフィとはアラビア語でいう「クナーファ」で、ギリシャのお菓子にもよく使われています。

クリーミーなソースにはベーコンがアクセントとして使用してあり、マスティハのスッとした香り、とほんのりとした甘み、クナーファのパリパリが皿うどんのようで、4年前にいたく感動したのですが…。今回はちょっと残念に感じました。クナーファが水分を吸いすぎてちょっとべっちょっとしていたことと、ソースが甘すぎる気が。いや、マズいわけではないのですが、思い出が美化されていたのか、単に忙しい時間帯だったのか、いずれにせよちょっと残念です。

街の中心のシンタグマ支店は便利ですが、ちょっと郊外に足を伸してみるのもオススメです。

アテネ中心部から北に車で20分程の「アノ・パテシア」にある支店は、住宅街の中にある、緑豊かなお店です。

パンはムッチリ食べ応えのあるタイプ。美味しいソースまでぬぐっていたら、パンがいくらあっても足りません。

「イカ墨のタリアテッレ、エビとウゾ風味」はモチモチのタリアテッレにアニスの香りのするギリシャの特産酒「ウゾ」がアクセント。シャキシャキのオニオンスライスがこれまた合うのです。

スパルタ産ポークソテーは燻製のトマトソースが添えられています。この豚、焼き加減が絶妙ですっごく柔らかいんです。ちょうど火が通ったぐらいでふんわりするほど。ジューシーなトマトソースとカリカリポテトはこれだけでも主役級です。

オレンジパイは、層になった生地にさっぱりした軽めのシロップがしみこんだ、ひんやり食べ心地がいいデザートです。もう満腹で入らない~、というときでも手が伸びてしまうんです。でも結構大きいので2人でひとつがちょうどよいですよ!

更に北、メトロ1号線の終点「キフィシア」は、まさに山の手というイメージがぴったりの高級住宅街。中心部にありがちな雑多なお土産屋さんなどは皆無で、アテネの別の顔を見るにはぴったりのエリアです。

キフィシア支店は細い路地に入った場所にあります。ギリシャの多くのタベルナがそうであるように、外に椅子とテーブルを並べ、夜遅くまで食事を楽しむ人々の姿が見られます。正直言うと、結構蒸し暑くて私は冷房の効いた店内で食べる方が快適だったりするのですが、皆さん外が好きですね~。

「エビのスイートチリソース、ウゾ風味、ホンモス添え」は、アジア料理でおなじみのスイートチリソースにウゾがキリリと効いています。ホンモスはちょっとツブツブのあるタイプで、スイートチリソースと相性抜群。ホンモスって意外と何でも合うのね。エビはプリプリ大きめサイズ、オリーブオイルとエビの頭からしみ出した濃厚な汁でパンが止まりません。

「ポークチョップオレンジハニーソース」はこれまた柔らかな豚肉に、甘酸っぱいソースが絡みます。味の濃い人参と、ほっくりベビーポテトも豚に負けず存在感があります。

テーブルに着くと、ラキやオリーブが出されます。ラキはそのまま飲んでも、水で割っても。これは白濁しないタイプでした。

とにかくアテネで食事場所に迷ったら、いやいや、迷わなくても、迷わず?訪れてほしいお店です!回し者ではないですよ!

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