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シリアの出入国の記録 2025

ダマスカス国際空港
ダマスカス国際空港
シリアで前政権が崩壊してから約1年が経過した2025年12月上旬、私は約2週間にわたりダマスカスを訪れる機会を得ました。 
私は2008年から2011年にかけて約2年半ダマスカスで暮らしており、今回は実に15年ぶりの再訪となりました。

懐かしい場所に再び足を運べるとは想像もしていなかったため、非常に感慨深い訪問となりました。 
ただし、シリアへの出入国手続きは以前とは大きく様変わりしていましたので、記録としてここに残しておきます。

2025年7月には、外国人がシリアに入国する際のビザ要件が正式に発表されるなど、観光誘致に積極的な姿勢がうかがえます。 
一方で、日本を含む多くの国は現在もシリアに対して退避勧告を出しており、実際にシリア全土を自由に観光するにはまだ不安要素が残っています。 
執筆時点(2026年1月9日)現在、日本大使館はシリア国内で再開されていません。

この記事は、決してシリアへの渡航をお勧めするものではありません。 
また、空港での対応やビザの運用ルールは予告なく変更される可能性があり、現場の担当者によって対応が異なる場合もありますので、その点はご了承ください。

シリア入国 ~日本から空路で~
今回はトルコ航空を利用しました。

実は、私より約1か月前に同じトルコ航空でシリアに向かった友人の話によると、羽田空港でのチェックイン時に「シリアのビザを持っていない」ことを理由にかなり時間がかかったそうです。 
前述の通り、シリア側は空港でのビザ取得が可能であることを正式に発表していますが、現場までその情報が徹底されていないケースはよくあることです。 
私もその点をかなり心配していたのですが、幸い私の場合はスムーズにチェックインを済ませることができました。

イスタンブールからいよいよダマスカスへ
イスタンブールからいよいよダマスカスへ

ダマスカス到着
ダマスカス到着
シリアの入国ビザには、4種類があり、国籍によって金額が異なります。

一覧はこちら


日本国籍の場合は
- 1か月(シングルエントリー):50米ドル 
- 3か月(ダブルエントリー):75米ドル 
- 6か月(マルチプルエントリー):100米ドル 
- 15日(トランジット):25米ドル

入国ビザは、到着後にイミグレーション(入国審査)を受ける前に、空港内の銀行カウンターで購入します。 
私が訪れた際は特に混雑しておらず、手続きは非常にスムーズでした。 
なお、支払いはUSドル(現金)のみ受け付けているようです。

私は滞在中に一度レバノンへ出国する予定があったため、15日間のトランジットビザ(25ドル)を希望していたのですが、 窓口で確認したところ「現在用意されているのは50ドルのビザのみ」とのことでした。 
しかし、実際にパスポートに押された入国スタンプを見ると、有効期限は「15日間」となっていました。

ビザの窓口では、50米ドルを支払ったレシートを受け取りました。 
その後、イミグレーション(入国審査)では、ビザのレシートと共に滞在予定(約2週間の予定)であることは告げましたが、帰りの航空券などは提示を求められず、手続きは特に問題なく進みました。 
なぜパスポートに押された入国スタンプの有効期限が「15日間」になったのかは、おそらく2週間、と言ったからではと考えています。
ちなみに、イミグレーションの担当者からはシリア国内での滞在先(ホテルなど)を聞かれました。 
私は最初の2泊分だけ事前に予約していたので、そのホテルの予約確認書(レター)を見せて対応しました。 これは、先述の友人のアドバイスのおかげです。

ダマスカス空港到着ロビー
ダマスカス空港到着ロビー
ダマスカスに到着したのは、解放記念日の翌日だったためか、空港にはあちこちに飾りつけが施されていました。 
再開を喜び合う人々の姿を見ていると、胸を強く打たれます。
空港の建物自体は少し古びた印象のままですが、以前とはまるで違う、明るく開放的な雰囲気が漂っていました。 
以前は空港内で写真撮影が厳しく禁止されていたはずなのに、今回は特に注意されることもなく、気軽に撮影することができました。

市内までのタクシーは、専用のカウンターが設けられており、料金は定額制のようです。 
何人かのタクシー呼び込みのおじさんに尋ねてみても、皆同じ金額を提示し、許可制のタクシーであることがわかりました。 
後から振り返ってみると、こうした手続きが以前よりもずっと整理されていて、客の取り合い、ということが減り全体的にスムーズになったように感じます。
記念撮影や、花束を持って出迎える人々
記念撮影や、花束を持って出迎える人々

シリア出国 ~日本へ空路で~

シリアからの出国日は、ちょうどクリスマス直前だからなのか、普段からなのかはわかりませんが、全体的にチェックが厳しい印象を受けました。

トローリーも値段がきっちり決まっていて使いやすい
トローリーも値段がきっちり決まっていて使いやすい

荷物の検査は、以下の流れで行われました。

① タクシーで空港敷地内に入る際 
→ パスポート確認と車のトランクを開ける程度の簡易チェック。

② 空港建物に入る際 
→ 見送りの人を含め、全員が荷物ごとX線検査。

③ チェックイン前 
→ ここからは搭乗者のみが入れ、再びX線検査。

④ 搭乗ゲート前 
→ 機内持ち込み荷物のETD(爆発物探知)検査。

③の段階で、悲しいことにレバノンで購入したワインがすべて没収されてしまいました。

シリア国内ではビール、ワイン、アラクなどのアルコール類が普通に製造・販売されており、決して違法ではありません。 
多くの国でアルコールの持ち込みが宗教的・関税的な理由で禁止・制限されているケースはありますが、*持ち出し*が禁止されているというのはあまり聞いたことがなく、公式のアナウンスも見当たりませんでした。 
現場の係員が賄賂を期待しているような雰囲気は全くなく、他のシリア人と思われる乗客もアラクを没収されている様子が見られました。

係員に話を聞いたところ、どうやらX線で「ビン類が多い荷物(一つのカバンに5本以上など)」だと判断されると、荷物を開けて詳細にチェックするのだそうです。 
確かに私の荷物にはワインのほか、調味料などのビン類がいくつか入っていました。 
ということは、ワインが1本だけだったり、ビン類を複数のカバンに分散させていたら、そもそも荷物を開けられることなく通過できたのではないか……と、今になって悔やんでしまいます。

アルコールの持ち出し禁止が、ひょっとするとイスラーム寄りとされる現政権の意向を反映しているのかもしれない、とも考えました。 
とはいえ、禁止事項があるなら事前にアナウンスしてほしい、というのが正直な気持ちです。

④は、出国審査を終えて、いよいよ搭乗口へ向かう段階です。 
ここでは、ETD(爆発物探知装置)による検査が行われました。 
PCやカメラなどの電子機器、手のひらなどに専用の紙を軽く拭き取るような検査で、意外と細かくチェックされます。 
石鹸を持っていた乗客も検査対象になっていました。 
「内部に爆発物を仕込んだ事件があったなぁ……」と、ふと思い出してしまいました。

ちなみに、このETD検査を終えてしまうと、その先にはお店がほとんどありません。 
免税店や飲み物などを買いたい場合は、必ずこの検査の前に行く必要がありそうです。
搭乗直前の待合スペース
搭乗直前の待合スペース
シリア出国 ~レバノンへ陸路で~
シリア側のイミグレーション
シリア側のイミグレーション
ダマスカスからベイルートまでは、車で約2時間半程度と非常に近く、交通量も多いため、比較的簡単に移動できます。 
バスなどの公共交通機関もありますが、今回は時間を節約したかったこともあり、タクシーを利用しました。 
偶然、知り合いの知り合いにシリア・レバノン間の国際タクシーの運転手の方がいたため、その方にお願いすることに。 
料金は予め軽く調べておいた値段より少し安いくらい(旅行会社の取り分が安くなったイメージ)で、知り合いという安心感もあり、当日同乗者がいたので、更に安くなり非常に幸運でした。 手続きにも慣れている方だったので、国境越えもとてもスムーズでした。

レバノンの入国ビザは、国境で取得でき、料金は100万レバノンポンド(約1か月有効)です。 
両替はレートが多少悪いものの、国境で対応してもらえました。

シリア入国 ~レバノンから陸路で~
ベイルートからダマスカスへ戻る際も、同じ運転手の方にお願いしました。 
とても頼りになる方で、往復ともに安心して移動できました。

シリアの入国ビザについては、国境の窓口で最初に確認したところ、やはり「50ドルのビザのみ」とのことでした。 
しかし、短期間の滞在になる事情を説明すると、係員の方が調べてくれて、25ドルの15日間ビザを購入することができました。 
結果的に、希望通りの短期間ビザが取得できてホッとしました。

シリア入国時は、肉類を持っていないかなど簡単に聞かれましたが、荷物を開けられることはありませんでした。

ちなみに、国境から市内へ向かう道には時折チェックポイントがあり、かなり警戒しているようでした。


ダマスカスからイスタンブールへ レバノン山脈上空
ダマスカスからイスタンブールへ レバノン山脈上空

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