エジプトと言えば、年中暑いイメージがあるかもしれませんが、実は冬はコートや暖房が必要なくらい寒くなります。
そんな冷え込んだエジプトの冬に食べたくなるのが「ホンモス・シャーム」。「ハラベッサ」とも呼ばれるこの料理、ひよこ豆を茹でて、クミンやレモン汁などで味付けしたシンプルながら、味わい深い一品なのです。
ホンモス・シャームとは、日本語にするとシリアのひよこ豆。
今やアラブ料理の定番、ひよこ豆とタヒーナ(白ごまペースト)のピューレ「ホンモス(フムス)」はアラビア語にすると、単にひよこ豆という意味なのですが、実はこのピューレのホンモスはエジプトではほとんど食べられていません。
もちろんエジプト人もホンモスの存在は知っているし、高級エジプト料理店などに行けばメニューにありますが、例えばシリアのようにホンモス専門店があったり、庶民的な食堂では必ずメニューにある、ということはありません。
エジプト人にとって、「ホンモス」と言えば、この「ホンモス・シャーム」なのです。
ホンモスシャームは一見スープのようですが、これは決してスープではありません。当然、食事として食卓にのぼるということもありません。あくまでも軽食なのです。
日本の環境に安易に置き換えるのもよくないのですが、例えばたこ焼きや甘酒のような物でしょうか。甘いデザートではないのですが、やはり食卓に登場することは決してない。たこ焼きが一つぽつんと小鉢に盛られ、定食の付け合わせになっている状況は、どう考えてもヘンテコです。
そしてもう一つ重要なこと。ホンモス・シャームはガラスのグラスに盛り付けます。
ナイル川沿いのコルニーシュなどに並ぶホンモス・シャームの屋台は、カイロらしい風景の一つ。
レストランでメニューにあるところは、私は見たことがないのですが、庶民的な喫茶店や、イベントの屋台などで食べられることもあります。
もちろん家庭でも作りますよ。大鍋に作って、学校から帰った子供達が鍋からよそって小腹を満たす。エジプトの冬の景色です。
作り方は、ひよこ豆を茹でて、 玉ねぎ、トマトを加えます。塩、クミンで味付け。好みで唐辛子やトマトペーストを加えても美味しいですよ。
材料
ひよこ豆…250g
トマト…150g
玉ねぎ…60g
ニンニク…1かけ
トマトペースト…大さじ1.5
クミン…小さじ1.5
唐辛子
塩
レモン
作り方
① ひよこ豆はたっぷりの水に浸け、12時間程浸水させる。
② 新しい水に変え、柔らかくなるまで茹でる。
③ トマトは皮を剥き、ミキサーでジュースにする。玉ねぎ、ニンニクもピューレにする。ひよこ豆に加え、トマトピューレ、クミン、唐辛子、塩で味を調え20分ほど煮る。
④ ガラスのグラスに注ぎ、レモンを添える。
トマト、玉ねぎはざく切りにする人もいます。最後にレモンを添えるのをお忘れなく!
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