エジプトでソービヤ(ソビヤ)というと、ラマダーンの時に飲む甘ーいココナッツ風味のドリンクです。
伝統的には、柔らかく茹でた米、牛乳、砂糖、ココナッツなどをミキサーにかけて作りますが、粉末のソービヤの素も売っているので、これを水や牛乳に溶かして手軽に作ることが出来ます。
街角のジュース屋さんにも大抵置いてあります。
ちなみに、湾岸、特にサウジアラビアなどでは、大麦などを軽く発酵させて作るドリンクをソービヤと呼ぶようです。エジプトのソービヤとは少し違いますね。
普通のソービヤは紛れもなく飲み物。なのですが、なんと食べるソービヤも存在するのです。
サイイダ・ザイナブにある「ソービヤ・ラフマーニー」。1920年ムイッズ地区で創業し、1950年にサイイダ・ザイナブに移転したそうです。
サイイダ・ザイナブの人とお店がぎゅぎゅっと詰まった一角にあります。
メニューはミゼズ、ヘルー、グラースの3つだけ。
レジで注文して、レシートをソービア注ぎ係の人に渡します。
もっちりとした不思議な食感。
ムハラビーヤのよう、なんて言われますが、それよりもどっしりぶりんとして、くず餅のよう。
基本的な材料は米、ミルク、砂糖。甘みの付いたヘルーはこれにイシュタ、バニラ、ココナッツスライスが入っているのだとか。シンプルです。
仕上げにシナモンをたっぷりとかけて。
客席などはないので、店の前で適当に食べましょう。
持ち帰りの場合は紙カップに入れてもらえます。
ミゼズはこのお店の看板メニュー。これこそがソービアの起源らしい。
酸っぱいといった意味で、甘くはありません。電流が走るようなピリッとする、独特の風味です。
初めてだと結構衝撃的な味。
ヘルーは甘みが付いて食べやすい。
ココナッツスライスが入っていて、もっちりの中に、シャクシャクした食感がアクセント。
グラースはいわゆるアイスクリーム。
バニラでもない、ミルクでもない、ソービヤのアイスクリーム。
サイイダ・ザイナブ以外にも支店がいくつかあります。
こちらはムカッタム店。
小さい間口でうっかり見落としそうです。
イベントにも出店していることがありますよ。
毎年カイロで行われるインターナショナルブックフェアでも見かけました。
支店はサイイダ・ザイナブのお店とは雰囲気が異なり、なかなか現代的な店構えです。でも味が落ちる、などな一切なく安心。
ちなみにグラスでの提供はサイイダ・ザイナブのみのようです。
飲み物のソービヤは甘くってちょっと苦手…という人も、この食べるソービヤは気に入ると思います。
カレーは飲み物、宜しく、ソービヤは食べ物、なのです。
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