出来たてのビールを堪能し、トビリシへの期待が高まります。
トビリシはかなり広く見所も多いのですが、ナリカラ要塞などがある旧市街は旅行者なら一度は訪れる場所はないでしょうか。
その旧市街には、Abanotubani(浴場地区)と呼ばれる地区があり、文字通り温泉がいくつもあるのです。
ヨーロッパの多くの温泉は水着が必要ですが、Abanotubaniの温泉は基本的には個室なので、水着は不用です。
これは日本の温泉に近いのでは?早速予約して行ってみました。
その前に。浴場地区にはトビリシ最大のモスクがあるのです。
Juma Mosque(金曜モスク)。
受付にはアラビア語を話す男性がいました。
女性はここでスカーフを借ります。
入り口にはヒジャーブの着用を促す張り紙がありました。
女性の礼拝室は2階ですが、明らかな観光客は1階の礼拝室に案内されるようです。
中に入るとぱ~っと視界が開け、外からは想像できない明るい空間。
シーア派がお祈りのときに使う石(モフルまたはトゥルバ)がありました。
特にシーア派のモスク、というわけではないようですが、アゼルバイジャン人など、トビリシのイスラム教徒はシーア派が多いのでしょうか。
各国言語のコーランも常備されていました。
勾配が大きいこの地区をウロウロしていると、むむ、美しい建物が目に入ってきました。
先ほどのモスクよりもモスクらしいこの建物は、この地区の代表的な浴場「Chreli Abano」。外観もさることながら、比較的規模が大きく、個室のタイプもいろいろあります。今回は一番小さな浴室を予約しました。
建物に入るとむわっと硫黄の匂いが鼻につきます。
受付で支払いを済ませると、タオルとスリッパを借ります。ただし有料なので、荷物が気にならなければ持参してもいいかもしれません。
利用は1時間単位です。
浴室は個室で、バスタブにシャワー、着替えるスペースにはトイレと洗面台、ベンチがあります。
お湯の温度は熱めで日本人にとっては理想的な温泉です。
浴槽に入るとザバーッとお湯が溢れ、至極贅沢な気分。
さらっとすべすべ滑るようなお湯の感触。ぶわー、気持ちいい。
うっすら汗が出て来てむくみも取れそう。
が、窓がなく、あっという間に個室全体が蒸し風呂状態に陥るのです。
着替えるスペースとはガラス扉一枚の空間。逃げ場のない蒸し風呂の中、冷たいシャワーを浴びて、お湯に浸かって、それを繰り返すのですが、後半からは「せっかく来たんだから」という半ば義務感でお湯に浸かる始末。
温泉成分を必死に取り込もうとがんばってお湯に浸かるも、40分も過ぎたところでギブアップ。
風呂上がりのキンキンに冷えた水がいくらでも喉を通ります。
もう十分!と思ったお風呂も、一歩外に出て風に吹かれると、もう少し入れたかも、なんて思うのだから勝手なものです。
温泉効果なのか、心なしスッキリした気分にダラダラ流れ出る汗を押さえながらやって来たのは、中央駅の周辺に広がるバザール。
この辺りは生鮮食品のや雑貨、古着などの市場が広がり、その周辺には商店街のような趣の通りが延びます。
これまた温泉効果なのか、妙にお腹がすいてきました。
中古の携帯電話ショップなどがひしめき合う通りのこざっぱりとした食堂に入ります。
とりあえず、ヒンカリ。
むちっとした生地、ジューシーな肉だね、まずいヒンカリは存在するのだろうか。
ケバブはグルジアの食堂では、このように薄いパンにくるっと巻いて出されることが多いみたい。
ケチャップのような赤いソースはジョージア名物タケマリ。プラムでできたソースで、ほんのり酸っぱく、コクがあるんです。
中身は挽肉の串焼きに、生玉ねぎ、スンマークがパラリ。
お肉がギュッと、瑞々しい玉ねぎがシャキッと、小麦の薫りがほんのりするパンと相性抜群なのです。
豚肉のソテーに、フライドポテトのオジャクリ。
材料はシンプルですが、かりっと味の濃いジャガイモが絶品でした。
周辺の市場は、崩れそうなトタンの屋根をつなぎ合わせた通りに、ぎっしりとお店が並びます。
魚屋さん。水槽、混雑しているな。
巨大な魚を手早く解体しています。
チーズの燻製がちょうど仕上がったところのようです。
こういうちょっとした作業を見られると楽しい。
市場にはつきものの飲み屋さん。
同じようなカウンター式のお店がずらっと並ぶ光景は興味深い。
若者は皆無で、初老のおじさんがショットグラス片手にポツポツ立ち飲みしています。
奥に進めば進むほど宝の山に見えてくる、トビリシの底なしバザール。日が暮れるまでここで過ごそう。
次の記事はこちら→「食べ納め!にふさわしいトビリシのレストラン」
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