ワインをすっかり堪能した我々は、ジョージア東部「ラゴデヒ」を目差します。
ラゴデヒはジョージアーアゼルバイジャンの国境から車で10分弱の小さな町。
しかし、その町の背後にはコーカサス山脈の斜面にラゴデヒ自然保護区が広がり、トレッキングなどを楽しめるとのこと。
今回は時間的にトレッキングなどはできませんでしたが、1500種の固有植物や、野生動物、ものすごい絶景写真なんかを見ていると、今更ながらチャレンジしておけばよかったなぁ、と思うのです。
夜遅くにラゴデヒの宿に到着し、早速夕食です。
おお、がっつりメニュー。グルジアの家庭っぽい。
豚肉グリルにフライドポテト。ポテトはねっとりして甘い。
定番のナスのクルミペースト、そしてパプリカのクルミペースト。
写真にはないですが、ここのお宅もワインを作っており、ボトル1本、いただきました。
ひんやり冷たい風に吹かれながら、大手メーカーの完成されたワインとは違う、ちょっとブレのある若いワイン。でも、こういうワインが結局飲みやすいなぁ、なんて思うのです。
ジョージアのモチッと、塩っ気のあるパンは最高のつまみ。
朝食はこれまたジョージアの定番「ハチャプリ」。
ハチャプリはチーズ入りのパンの総称で、いろいろな種類があるのだけど、有名なのは生地をボート型に成形して、卵を落として焼いた「アジャリアハチャプリ」でしょうか。見た目もインパクトがあってかわいいし。
でもよく食べるのは写真の「イメレティハチャプリ」じゃないかなと思います。
生地の中にクセの少ないイメレティチーズを入れて、焼き上げます。
チュルチュヘラはむちっとした食感。
今日のお楽しみは、なんと、ヒンカリ作り。
ジョージア料理の代表と言ってもよいほど頻繁に食べるヒンカリ。
宿のオーナーマダムに教わりますよ。よろしくお願いしまーす!
まずは小麦粉で生地を作ります。
ぬるま湯に塩を溶かし、パン用の小麦粉(強力粉)に加え、柔らかな生地になるまでこねます。
挽肉は脂多目のものがよいそう。
今回は豚肉ですが、牛、羊、そして鶏、何でもよいです。
もちろん合い挽きでも。
玉ねぎのみじん切り、パクチーのみじん切り、粉唐辛子、塩を加えよく混ぜます。
ヒンカリは食べるときにはソースなど使わないので、ここでしっかり塩味を付けておきましょう。
冷水を少しずつ加え、よくなじませます。これがじゅわっと溢れるスープになるのですね。
生地に小麦粉でたっぷり打ち粉をまぶし、麺棒で5㎜ぐらいの厚さにのばします。
コップなどで型抜きをします。
丸く抜いた生地を更にのばします。
小さめの麺棒や、空き瓶などを使うと作業がしやすいです。
生地に挽肉をのせます。
少しくぼみのあるソーサーなどを使うとよいです。
ひだを寄せながら包んでいきます。
ひとひだごとに生地を指でしっかりつまみましょう。
つまみの部分を指でつまんでしっかりくっつけます。
少しねじりながら押さえると形がきれいに整います。
鍋にお湯をたっぷり沸かし、塩を加えます。
お湯2リットルに対し、塩大さじ3杯が目安です。
つまみを下にして、静かに鍋に入れます。
優しくかき混ぜ、ふたをします。お湯が再び沸いたらふたを取り、5分茹でます。
トレイや皿を水で濡らし、穴あきお玉などで一つずつすくい上げます。
じゃーん。完成です!
好みで黒こしょうをふって、熱いうちにいただきましょう!
中からスープがじゅわー、味付けは思ったよりもシンプルですが、あ、これヒンカリだわ。
お店のヒンカリは皮がつるんと絹のように滑らかですが、手作りヒンカリはモチッと食べ応えのある食感です。
今回は時間の関係で生地をこねてすぐに使いましたが、少し休ませるとよいかもしれません。
ヒンカリは包んだらすぐに茹でるのが鉄則。茹でたヒンカリが冷めてしまったら、フライパンで焼いて温め直して食べるのだそう。
おいしいヒンカリ、ありがとうございました!
ゆったりとした一軒家、慌ただしい滞在でしたが、とっても心地よい宿でした!
トレッキングもしないのに、わざわざラゴデヒまで来た理由。
それは国境に近い町だからです。
こっちは我々がいるジョージア。
あちらはアゼルバイジャン。
今回はアゼルバイジャンには行きませんが、この道がシェキにつながっているのね、なんて思うと、感無量。
ジョージア側最後の商店。
別に変わった物が置いてあるとかではないですが、なんかいいよね。
何もせずにうろうろしていると怪しまれるかと思い、コーヒーなんかを買って、ゆっくり飲んだり。
地図だと農道のような道が国境をまたいだりしているのだけど、あれはどうなっているのだろう。農具を担いだおじいさんが何人かその農道の方に行っているのだけど、日常的にジョージアとアゼルバイジャンを行き来していることになるのかな。
いいな、日常的な国境。
おうちで卵をのせて焼くだけ!冷凍のアジャリアハチャプリ
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