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スモーキーなナスのペースト「ムタッバル」

更新日:2022年3月8日


ムタッバル

豆や野菜などのピューレを平たいパンですくって食べる…。アラブ料理の典型的な食卓風景です。有名なのはひよこ豆のホンモス。エジプトではソラマメとハーブのブサーラもおいしいです。

調理にそこそこ時間のかかる豆のペーストよりも、もっと簡単に、思い立ったらすぐできるものは何かないかな、というときは、ナスのペーストはいかがでしょうか。

アラブ料理のナスのペーストは主に2種類。

ひとつは焼きナスを刻んでトマトやパプリカを混ぜた「ババガンヌージュ」。

ジューシーなナスに甘酸っぱいザクロシロップがたまりません。

もう一つは同じく焼きナスのペーストに白ごまペーストのタヒーナを混ぜた「ムタッバル」。

焼き茄子のスモーキーな風味とまろやかなごまの風味。ナス独特のえぐみがまろやかになって、非常に食べやすいのです。

ところでこのババガンヌージュとムタッバル、呼び方が地域によって違うのでちょっと注意が必要です。

シリアでは上記の通り

ババガンヌージュ→ザクロシロップ

ムタッバル→タヒーナ

ただし、アレッポなどではムタッバル→ザクロシロップとなることもあるようです。

エジプトでは

ババガンヌーグ(ババガンヌージュ)→タヒーナ

ラーヒブ→ザクロシロップ

となります。もっともラーヒブはエジプトではほとんど見かけないのですが。

レバノンでは2つが入り交じっているように思います。

まぁ、バラバラですね。きっちりカテゴライズしたい日本人にとってはも~っと思いますが、致し方ありません。おにぎりとおむすびのようなもの、と考えると幾分気が楽です。

今回のレシピはタヒーナの方のムタッバル。

私事ですが、この料理を最初に食べたのが食べたのがシリアだったので、私はエジプトでも頑固にムタッバルと呼んでしまいます。

手順は焼き茄子を作ってタヒーナ、ニンニク、ヨーグルトを混ぜるだけ。

古いレシピだとタヒーナだけですが、現在ではヨーグルトも加えるのが一般的です。

難点は途中で醤油と鰹節をかけて食べたい衝動に駆られることぐらいです。

材料 ナス…500g

タヒーナ(白ごまペースト)…大さじ 3

ヨーグルト …大さじ 2

ニンニク… 1 かけ

レモン汁…大さじ 1

オリーブオイル

作り方 ① ナスをガスコンロに置き、直火で焼く。

② ナスの皮が焦げ、柔らかくなったら火から下ろし、皮をむく。

③ 粗めのペースト状になるまでナスを刻む。

④ ニンニクに塩をまぶし、包丁を押さえつけるように動かし、ピューレ状にする(すり下ろしでも可)。

⑤ オリーブオイル以外の材料を混ぜ合わせる。

⑥ 皿に盛り、オリーブオイルをまわしかける。

このムタッバルはひき肉とブルグルのミートボール「クッベ」と相性がよいとされています。

また、ミートソースをのせると「バータルシュ」と言って、シリア中部の都市「ハマ」の名物料理になります。

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