top of page

隠れすぎた食堂でエチオピア料理

更新日:2023年2月11日


エジプトは外食産業が乏しいと言われますが、探せばちょっと変わったお店も多いのが首都カイロ。

イエメン、イラク、シリア、スーダン…。周辺諸国の料理を出す食堂もそこそこあり、エジプト料理とは違うものが食べたいなぁ、というときには自然と足が向かうのも、これらの食堂なのです。

カイロでエチオピア料理というと、数年前にとあるイベントで食べたきりで、確かそこに出店していたのはケータリング専門でお店は構えていないとのことだったはず。

クレープよりモチッとした柔らかなインジェラと、煮込みやら野菜やらのおかずがとっても美味しかった記憶があります。

エチオピア料理

エチオピア料理のケータリング

あれからというもの、たまに行くスーダン料理店で「インジェラ、その他エチオピア料理あります」みたいな張り紙があれば注文してみるも、今日はない、の連続でエチオピア料理にありつけずじまいでした。

でもでも、やっとインジェラを出すお店を見つけましたよ!

エチオピアンレストラン

大通りから小道に入り、ちょっとわかりにくい場所にある小さなお店です。知っていても、うっかりすると通り過ぎてしまいそう。

看板には、エチオピア、スーダン、サウジアラビア、アラブ料理、とあります。ざっくりこの辺の全部かぁ。でも、エチオピア料理が先頭だし、写真も何となくエチオピア推し。これは期待できそう。

サロン

お店に入ると、家のようにくつろげそうなソファースペース、その奥にテーブルの食堂スペースがあります。

清潔なキッチン

すっきりとしたオープンキッチン。

メニューはスーダン・アフリカ料理と、エチオピア料理が別になっていました。

さわやかな青年が、料理の説明から調理までしてくれます。

聞けば彼はエリトリア人なんだそう。

エチオピアの青年が料理してくれる

インジェラとキトフォとティベス

直径50センチほどのアルミトレイにのってやってきました。

手前は「キトフォ」という料理。エチオピアでは生肉を食べるようで、キトフォは本来生肉の料理のようですが、ここでは火を通したバージョン。ちょっとぴりっとスパイシーで、レモンをぎゅっと絞ったルッコラサラダと一緒にインジェラでつまんで食べると美味しい。

奥の料理は「ティベス」。柔らかな牛肉とピーマンの炒め物です。澄ましバターの濃厚で罪深い味と、いわゆるカレーのような風味がぐっと鼻を突き抜ける感じ。うまいです。

インジェラとシロ

こちらはレンズ豆の料理「シロ」。粉にしたレンズ豆のペーストです。ドロンとした食感で、意外と味は薄め。でも結構お腹にずっしりきます。

食事が終盤に差し掛かったころ、コーヒー飲む?とエリトリアの青年。はい、もちろん!エチオピアはコーヒーが有名ですからね。

エチオピアンコーヒー

コロンと丸いフラスコ型のコーヒーポットがかわいいです。

これは「ジャバナ」と言って、エチオピアだけではなく、スーダン、エジプト南部などでも使われています。

添えられたお香が異国情緒満点。

豆を煮出して抽出する方法は、トルココーヒーと同じですね。

小さなおちょこに注いで、好みでシナモンやショウガのパウダーを入れて飲みます。

ショウガパウダーは、少量のコーヒー豆と一緒に挽いてあるんだそう。ぴりっとした風味が、食後によく合います。

お茶請けはポップコーン。エリトリア人曰く、これは絶対、と言うか、至って普通のことなんだそう。

素朴なポップコーン、コーヒーに合う。

フラスコのようなポット

専用の台がないと直立できないジャバナ。

スーダンやエジプト南部など、アラビア語圏でもこのジャバナを使うようなのですが、私はこの「ジャバナ」という単語が不思議で仕方がなかったのです。

アラビア語で「ジャバナ」は(ざっくり言えば)チーズ、または臆病といった意味で、このコーヒーポットがなぜ「ジャバナ」なのか、皆目見当もつかず、夜も眠れない日々でした。でも、この言葉がエチオピアの公用語、アムハラ語起源となれば、胸のつっかえも少しは楽になるというものです(本当の解決には至っていませんが…)。

カイロでちょこっと旅行気分。今度は別の料理にも挑戦してみよう。

お店→Samara Nile 20 El Hassaniy Agouzah Giza

エチオピアの民芸品の木製プレート。低いテーブルにもなりそう。

この上にいろんなおかずを盛って楽しみたいなぁ。

コーヒーセレモニーに使われていたのかな。低い脚が付いたコーヒーテーブルです。がっしりした無骨な姿がたまらんっ。


最新記事

すべて表示

​おすすめ記事

bottom of page