肉料理のおいしいお店が次々と思い浮かぶエジプト。
カイロ北部の庶民的地域「ショブラ」にある有名店「ビーボ」は、数あるカイロのお店の中でも有名店の一つです。
ショブラはキリスト教徒が多い地域としても知られています。
ただし、ショブラは広い上、エジプトはキリスト教徒地区、イスラム教徒地区、という風に明確に居住地区が分かれていないので、他の地域とほとんど変わりませんが、カイロに慣れた人だと、何となく「確かにキリスト教徒が多いかも」と感じるかもしれません。
お店は地下鉄からだと最寄り駅は「セント・テレーザ」。そこから歩いて10分ぐらいです。
駅前は大きな通りなので賑わっていますが、お店の方へは住宅地の中を通るので、夜だと薄暗いです。野犬に注意しましょう。
時間帯によっては店の前にもテーブルが出ていますが、室内の席もあります。
数年前に改装して、お店が大きくなったみたい。
エジプトでお肉料理のお店と言えば、炭火で焼いた串焼き肉を出すケバブギーが多いのですが、ビーボはケバーブのほか、鉄板焼きなども出しています。
インババの名店「プリンス」に、炭焼きのメニューが加わったメニュー構成です。
まずはお決まりのタヒーナ。白ごまをベースとしたペーストです。
野菜サラダはシャキシャキでおいしい。時々浅漬けのようにしんなりしたサラダを出すお店もあるのですが、ここはそんなことはありません。パセリまでもがシャキッとしています。
きゅうりのピクルスは塩加減がきつめですが、まろやかなお酢が病みつきになります。
なんと、ビーボはこの3皿は無料なのです。
どこのお店でも自動的に出てくる前菜ですが、お店によっては有料なので、これは気前がよろしい。
それに加えて、「ウイスキー」もあります。
野菜サラダの汁なのですが、これが結構唐辛子が効いていて、ごくごくとは飲めません。私は未だにこの楽しみ方がイマイチわからないのですが、エジプト人はお替りしている人も多いのです。
パンも無料で付いてくるのですが、こういうお店はご飯もおいしい。
ということで、ファッタを注文。
ファッタとは、ちぎった薄焼きパンを使った料理。各地域でそれぞれ調理法は異なるのですが、エジプトのファッタはちぎったパンに出汁をかけ、ご飯とトマトソースをかけたファッタが一般的です。犠牲祭などではこの上に茹でた肉をのせて食べます。
今回はプレーンなファッタを頼みましたが、レバーやソーセージなどがのったファッタもあります。
パンとご飯、不思議な感じですが、パンがもちっとして意外とよく合うのです。
煮込みは「トッリー」。野菜のごった煮です。
中はトマトベースのソースと大きめごろっとしたお肉がぎゅっと詰まっています。
オーブンでぐつぐつ煮込んでいるので、全体が混沌とした、得も言われぬおいしさ。
ぐつぐつ沸騰した状態で運ばれてくるので、やけどに注意。
グリルは「タルブ」。ひき肉の「コフタ」を網脂で巻いたものです。
実は私は肉の脂が唯一の食べられない物なので、ちょっとこのおいしさはわからないのですが、脂好きにはたまらないのでは。
こちらは角切り肉の定番ケバーブ。脂はほぼないのですが、パサパサでは決してなく、むしろうまみがぎゅっと詰まって大変美味。
他にも鉄板焼きのレバーやソーセージ、モロヘイヤやハト、チキンなど、エジプトの肉料理が網羅されていますよ。
店内のテレビでは、お店のプロモーションビデオが流れ、活気があります。
が、こういうお店でありがちな、騒がしい雰囲気ではなく、ウエイターも落ち着いているのが好印象。
がやがやせわしない雰囲気もカイロらしくで面白いのですが、まぁ、ゆっくり食べたいなぁ、と思うのが本音。
久しぶりの友人とおいしいお肉なら、迷わずビーボをおススメします。