エジプトが原産のモロヘイヤは、日本でもすっかり定番となりました。
ネバネバがいかにも栄養がありそうで、暑い夏にはもりもり食べたい野菜です。
アラブ料理でモロヘイヤというと、ドロドロに刻んだモロヘイヤを使ったエジプトスタイルの「モロヘイヤスープ」が思い浮かぶのではないでしょうか。
しかし、シリアやレバノンのモロヘイヤは違います!
葉っぱを刻まずに、そのままスープでさっと煮て出来上がり。
特にシリアではエジプトスタイルは存在しないと言ってもよいほど。
レモンをぎゅっと絞って、シャイリーヤ入りのごはんに合わせて食べましょう!
材料
乾燥モロヘイヤ…40g
パクチー…20g
ニンニク…2かけ
ドライコリアンダーシード…小さじ0.5
ミックススパイス…小さじ0.5 (オールスパイスでも可)
チキンスープ…約500cc
茹でた鶏肉
塩
油
作り方
①乾燥モロヘイヤはよく洗い、水に10分ほど浸ける。手で絞って水気を切る。
②鍋に油大さじ1杯を熱し、モロヘイヤを炒める。完全に水気が飛び、お茶のような香りがしてくるまでよく炒める。
③チキンスープ、スパイス類を加え10分ほど煮込む。
④鶏肉を適当な大きさに裂く。ニンニクは塩少々をまぶしてすりつぶす。パクチーはみじん切りにする。鍋に加え、更に10分ほど煮込む。塩で味を調える。
出来上がりは汁が少し残っています。
モロヘイヤは生の葉を使うこともありますが、一般的には乾燥したものを使います。
葉っぱ200gぐらいを乾燥させるとだいたい40gになります(私が試した場合なので、多少の誤差はあります)。
ちなみにモロヘイヤは茎は食べません。
チキンスープは鶏肉、玉ねぎ、シナモンスティック、ベイリーフ、カルダモンを水から茹でます。好みの部位でいいですが、骨付きだとおいしいスープが取れますよ。
私は骨付きもも肉4本を使っています。これだと鍋の大きさなどにもよりますが、700ccぐらいのスープが取れます。塩は小さじ1杯入れています。
骨付きもも肉4本分のお肉です。今回のモロヘイヤの分量では半分から4分の3ぐらい使いますが、もちろんお好みで。
チキンの代わりに炒めたひき肉を入れてもおいしいですよ。
・モロヘイヤのあれこれ
私が滞在経験のあるシリアはダマスカスでは、モロヘイヤは上記のように乾燥させて使用することが一般的な印象です。
が、生の葉を使用するレシピもあり、そちらは「ブーラーニー」と呼ぶこともあるのだとか。ちなみに、ブーラーニーは、ホウレン草やスベリヒユなどを使う場合もあり、更にはナスなどを使うなど、全く別の料理も同じ名前で呼ばれているようです。
エジプトではおなじみスープのようにして食べます。
チキンやウサギなどで取ったスープに、刻んだモロヘイヤを入れ、刻みニンニクとドライコリアンダーシードを油で炒めてジュッと加えます(タッシャまたはタアレイヤ)。
スープ、と書きましたが、これは実はスープではありません。あくまでもメインの料理です。
そのためレストランのメニューにはスープ欄にモロヘイヤはなく、アラビア語でも「モロヘイヤスープ(ショルバ・モロヘイヤ)」とは普通は言いません。ネットで検索すると、そういう言い方をしている場合もありますが…。
団体観光客が行くレストランでは、小さなボールにうっすーい澄まし汁のようなモロヘイヤ(当然タッシャなし)が登場することが残念ながらあるので、いやいや、スープでしょ、と思う方もいると思いますが、違うんです。本当の姿はメインの料理なんです。
ちなみに、過去に私が書いたものを改めて確認したら…思いっきりスープスープと言っていました。そこらへんのツッコミは何卒ご容赦くださいませ。
チュニジアやアルジェリアでは、モロヘイヤを乾燥させて粉末にして使います。
よりどろっと、濃厚な食感になります。
モロッコはなんとオクラのことをモロヘイヤと呼ぶそう。
そして葉っぱのモロヘイヤはないんだとか。
うーん、うーん。
経験ないけど、例えばエジプトに住んでいるモロッコ人がモロヘイヤと言った場合、どっちだよ、と、ちょっと混乱しそう。そういうことって時々あるよね。