コロナウイルスの感染者が再び急激に増えているものの、この夏休みは久しぶりに海外旅行を計画している方もいるのではないかと思います。
多くの国では入国時のコロナ関連の手続きを廃止していますが、日本への帰国時にはPCR検査を受け、陽性であれば日本国籍であっても日本に入国できない、このルールが海外への渡航をいまだ困難にさせていることは間違いありません。
そのような情勢の中、7月後半に2週間の日程でエジプトに渡航した筆者の体験談を自身の覚え書きもかねて紹介したいと思います。
・日本を出発前にすること
日本に入国するための要件は外務省のHP等で確認していただくとして、大まかに言うと、帰国する便の出発時刻72時間前以内にPCR検査を受けて陰性であれば帰国が可能になるというもの。そのほか滞在国、ワクチンの接種状況によって日本到着時のPCR検査の必要性や、待機期間が異なります。
エジプトから帰国する場合は、ワクチンを3回接種していれば帰国時のPCR検査、待機は必要ありません。
帰国する前の準備として、MY SOSというアプリに、パスポート情報、ワクチンの接種証明、滞在国などの情報を登録します。私はアプリはダウンロードせず、WEB版から登録しました。
ワクチン接種証明はアップロードする必要があります。
ワクチン接種証明書が確認されれば、画面は赤から黄色になるはずです。
手順に沿って行えば特に難しいこともないのですが、日本を出発する前に行っておくと安心です。
・エジプトでのPCR検査
エジプトで数日過ごし、そろそろ帰国3日前になりました。
聞くところによると、エジプトでは午前中に検査→当日中、午後に検査→翌日に結果が出る場合が多いとのこと。何が起こるかわからないエジプト。早めの行動が吉とにらんで、帰国72時間が数時間過ぎたころで検査機関を訪れました。
検査機関はエジプト中に数多くあるよう。在エジプト日本大使館のHPでもいくつか紹介されています。
私はエジプト在住の日本人や、エジプト人からの情報を元にAlBorg Labsで検査を受けました(HPはエジプト滞在中の7月後半は閲覧可能でしたが、8月4日現在は閲覧できないので、リンク先としてFacebookページを載せています)。
予約は不要。混んでおらず、すぐに検査を受けることができました。
受付でPCR検査を受けたいと言うと、海外渡航に必要なのかと聞かれ、出発日を確認されます。航空券の予約確認証を見せろなどとは言われず、口頭で出発日時を答えましたが、念のため予約確認証もあった方がいいかもしれません。
その後パスポートを渡し、数分待っていると別室に呼ばれ、長い麺棒のような物を両方の鼻の穴に入れて、検査は終了。少しでも陰性の確立を高めようと、検査機関を訪れる直前に日本から持参した、なんと48時間も菌の繁殖をブロックしてくれるアルコールティッシュで鼻の中をぐりぐり拭いておきましたが、あれは全然意味ないんだなと思いました。検査では思ったより鼻の深いところをぬぐうんですね…。アルコールティッシュ、染みてちょっと痛かったんだけどな。
検査費用は500ポンド。ただしこの金額は頻繁に変わるようです(在エジプト日本人情報)。エジプトと聞くとぼられる~なんて心配があるかもしれませんが、こういう所ではそんなことはないはずです。自分の思った金額と違うからと言って、すぐにぎーっと相手に詰め寄るのはやめたほうが…。
検査の後、何気なくHPを見ていたら検査費用500ポンドと記載がありました。
検査終了後、いつ結果が出るかなどを改めて確認します。
私は夕方に訪れたため、採取した検体は翌日の朝8時の登録(すなわち翌日の朝検査したことになる?)結果は翌日の午後、とのこと。電話番号を登録したので、結果はSMSで通知しされ、検査結果の書類は取りに行く必要があるとのこと(別料金でデリバリーサービスもあるらしい)。
レシートや、検査の控えなんかはないんですか?と聞いたものの、明日出るから、ということで、まあ、エジプトだしこんなもんかな、とそのまま検査場を後にしました。
これがその後の余計な不安につながるのですが…。
・検査の結果が来ない!?
翌日の夕方、ソワソワとSMSで検査結果が届くのを待つものの、いつまで経っても届かない。
不安になり、検査機関のHPのチャットから問い合わせ、電話番号を伝えるも、この電話番号は登録されていません、との返事。ぎゃー。
検査番号やレシートの有無を聞かれたのですが、そんなものもない。おたくの受付の男性はどちらもないと言ったじゃないですか。
これはらちが明かん、とすぐに昨日受けた検査機関へ。
昨日の結果を取りに来た旨を伝えると、受付の男性(昨日とは違う人)は私の名前を聞くこともなくパソコンをカタカタ、君は○○だね、と。ああ、きっとPCR検査のお客は少ないんだな、と思っていると、今プリントしますね、と。
あ、あの、結果は…?まだ結果を知らないんです。
ネガティブですよ。
お!あ!はー!
言葉にならない安堵感とはこのことか。
検査結果の用紙をすぐに写真にとり、MY SOSに登録。
これで無事日本に帰国することができます。
SMSが届かなかった件については、陰性の喜びで完全に聞き忘れました。電話番号の登録ミスかな。
ちなみに検査結果のでる時間を先ほどのチャットで聞いたところ
平日:午後3時までの検査→当日夕方
午後3時以降の検査→翌日夕方
金曜日:午後2時までの検査→当日夕方
午後2時以降の検査→翌日夕方
※夕方とは具体的に何時との質問には午後11前との回答(閉店時間までには結果は出るよ~という意味?)
エジプトなので、いつでもどこでもこの通りに進むとは思いませんが、このようなスケジュールで結果が出るようです。
・万が一陽性だったら?
私は無事陰性でしたが、陽性になる可能性もあります。
その場合、まず心配になるのは宿の確保です。
私はホテルではなく、某予約サイトからアパートを借りて滞在していました。
アパートのオーナーとはWhatsAppでやり取りをしていました。チェックアウトの日時は予定通りですか?というメッセージがオーナーからきたタイミングで、万が一の場合、滞在延長は可能かどうか聞いてみました(PCR検査を受ける前です)。
ここは正直に、「日本のルールで帰国前にPCR検査を受ける必要があり、陽性の場合帰国できません。その場合は滞在を延長することは可能か?」と、陽性の場合でも滞在できるのか聞いたところ、
「では、その場合はもう一度予約サイトから予約してください」との回答。
コロナが陽性でも特に気にしていない様子。
これで万が一の場合でも宿の心配はなくなりました。
ただし、ホテルによっては陽性者は泊められない、というケースもあるようなので、事前に確認しておいた方が安心です。
エジプト人の友人知人に、陽性だった場合、隔離の必要はあるのか、など聞くも、もちろん家にいた方がいいけど、買い物とかは問題ないとの答えが多かったです。
あくまでも一般の人の見解なので、陽性だった場合の行動については、改めて確認する必要がありますが。
・エジプト人とマスク
渡航前は、エジプト人はもう誰もマスクをしていないよ~、と聞いており、私も、まあ、そうだろうな、と思っていたのですが、意外とマスクをしている人(しかも結構がっちり)がいるな、とい印象です。マスク着用率は1割弱ぐらいでしょうか。
モールや大き目の施設の従業員はマスクをしています。
エジプト人の友人も、アレルギーがあって、器官が弱いから、とか、家族が病気で、などの理由でマスクをしているケースもありました。職場ではマスク必須の場合もあるようです。
私は基本的にはエジプト滞在中はマスクはしていませんでしたが、博物館など一部の場所ではマスクが必要な場合があるので、1枚携帯しておくとよいでしょう。
少なくともマスクをしていると変な目で見られるとかはないです。
マスクをする自由、しない自由、がある程度はある印象です。
・エジプト出国~日本に到着
いよいよエジプト出国の時です。空港のチェックインカウンターで陰性の証明書を出します。
以前は陰性証明は日本政府が発行するフォームに、検査機関が書き込む必要があったようですが、現在はそのルールは撤廃されて、各検査機関が発行する書類で問題ないようです。
が、場合によっては現場まで周知徹底されておらず、検査機関発行の書類のみでは、たとえ陰性であっても搭乗を拒否されることもあるのだとか。ぶるぶる。
ちなみに、検査機関で日本のフォームにも書き込んでほしいとお願いしたのですが、断られました。
そのため、エジプト在住日本人のアドバイスなどをもとに、日本のフォームをダウンロードして医療機関名以外の部分を自分で書き込んだものも用意しました。
チェックインカウンターでは、検査機関の書類と自分で書き込んだ日本のフォームの2通を提出し、無事搭乗が認められました。
日本のフォームが必要だったかは不明です。
日本に到着すると、MY SOSを開きっぱなしにして、画面を見せながら空港内を進みます。
青い画面、すなわち、エジプトからの帰国者でワクチン3回接種済み、帰国前のPCR検査が陰性であれば、特に空港での手続きは必要なく、待機も不要です。
ワクチンの接種証明は、MY SOSに登録してあり現物は不要ですが、ネットが繋がらないなど、万が一のことを考え、私はコピーを持参していました。
これで帰国とコロナの手続きは無事終了です。
やはりこの帰国前のPCR検査、そして陽性の場合は絶対に日本に入国できない、というのが、最大の懸念事項で、正直滞在中も、もしも陽性だったら、との不安が常に付きまといました。
検査機関のスケジュールにもよりますが、日本近隣の国に日帰りや1泊などといった出張もできないのでは。
そして、陽性で帰国できない場合、場合によってはビザが切れてしまうといったことも考えられます。
もちろん、このようなルールがあることを承知の上で渡航しているのですが、早くこのようなルールが撤廃、もしくは緩和することを願ってやみません。
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