お肉をがっつり食べるならやっぱりケバブギー(炭火焼き肉店)。無数のケバブギーが存在するカイロですが、有名店ともなるとは週末には行列ができることも珍しくありません。
そんなカイロの有名ケバブギーの一つ「アブー・アシュラフ」は、水道橋とサラーハ・サーレム通りの間、少しごちゃっとした地域にあります。

メニューは無骨なケバブギーらしく、ラムチョップやケバーブ、コフタ、レバー・腎臓・ハツの盛り合わせ、ニーファ、タルブ(コフタの網脂巻)、スゴッ(ソーセージ)、モーザ(骨付きもも肉)、あとはサラダぐらい。
チキンなんて軟派なものはありません!

注文が終わるとすぐに前菜が運ばれてきます。
白ごまペーストのタヒーナ、たっぷりのサラダ。生玉ねぎのスライスが別添えなのがうれしい。これが肉料理と相性抜群なのです。
さらし玉ねぎではないので、食後に口の中に匂いが残りますが、それでもついついつまんでしまうのです。

前菜とパンをつまんでいると、お皿から溢れんばかりの肉の山が来ました!
コフタとケバーブの盛り合わせ0.5キロです。
コフタはゴロッと粗めの挽肉で食べ応えがあります。
ケバーブはっと、むむ、すりおろし玉ねぎがたっぷり絡んだ甘辛ダレが後を引くおいしさ。
ケバーブは基本的にはすりおろした玉ねぎにスパイスなどの調味料を混ぜたものに漬け込んでから焼くので、しっかり味が付き、臭みなどが取れ、肉がほどよく柔らかくなります。しかしながら、食べるときにはすりおろし玉ねぎの存在を感じることはほとんどありません。
それが、このケバーブはすりおろし玉ねぎがお肉にほどよく絡んだまま。それが独特の甘さを出しているようです。

そしてもう一皿。
普通のケバーブの他になにやら見慣れないメニューがありました。
フィラーイト、何のことかと思ったら、フィレ(ヒレ)でした。
他のお店ではあまり見かけない気がします。
こちらも玉ねぎが絡んだ甘辛ダレ。ケバーブよりも柔らかく、あっさりして食べやすい。これは頼んだ方がよい。
これは確か0.5キロだったかな。好きな量を頼めますよ。

お店の中はさほど広くありませんが、オーナーと有名人の写真が壁にぎっしり飾ってありました。
ほうほう、かなりの有名店なのですね。
どこかでもこんなケバブギーがあったような、と思ったら、別の有名ケバブギー「リファーイー」も、そうそう、こんな感じだったな。
「リファーイー」はサイダ・ザイナブにある、これまた超有名店。奥まった路地にあり、独特の穴蔵感も相まって、エジプトに来た頃はたまに行っていました。
が、最近は足が遠のいてしまいました。少なくとも3年ほどは行っていないな。
私には少し塩辛い。でもまぁ、エジプトはだいたいが味が濃いし、これは大した理由ではないのです。
何というか、常連ばかりを優先する雰囲気があまり好きになれなかったのが大きな理由のような気がします。そういうことって多少は何処でもある気がしますが、あまりにもだと、ね。
あとは、ちょっと高い。それはよいとして、何だか値段が不明瞭なことが多くて、ちょっともやっとするというか。これは何人かのエジプト人も同じようなことを言っていたので、外国人だから、というよりはお店の傾向なのかな。
この値段出せば、いくらでも他で気持ちよく食事ができるよな~、と思うと、気づいたらずいぶんと行っていませんでした。
でも、カイロの下町の昔ながらのケバブギーの雰囲気などは面白いし、味もなかなかよいので、気になる人は待つのを覚悟で行ってみるといいと思います。
こんなこと書いておいて何ですが。私も久しぶりに行ってみようかな。
最後は他のお店の話になってしまいましたが、アブー・アシュラフの“ヘレ”、是非お試しを~。
Abou Ashraf(アブー・アシュラフ)70 Hassan Al Anwar street Ashash Al Baroun