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【カイロ】トロトロ肉のニーファ専門店 新店舗開店

更新日:2022年3月8日


以前の記事でご紹介したとろとろ肉ニーファの専門店「Nefah Alnagahi」。

11月も終わりに近づいた頃、このお店からなにやらメッセージが届いたのです。~新店舗開店のお知らせ~

あの小さなお店もついに支店ができるのかぁ、新しいお店はサード・ザグルールに近いし、行きやすくなるな、なんて、その時はあまり深くは考えずにいたのですが…。

そのちょうど1週間後の11月29日、何気なくフェイスブックを見ていると、「準備が整いました!今日開店です!」的なお店の投稿が目に飛び込んで来たのです。

そう言えば、そんなお知らせが来ていたな、これは早速新しいお店でも試さなければ、とお店のフェイスブックページをサラサラと見ていると、ある違和感が私を襲ったのです。

その違和感とは…。

と、その前に。新装開店2日目にお店に行って来たので、まずはそちらの様子から。

前と変わらずおいしいといいな~。

新しいお店は地下鉄「サード・ザグルール」から歩いて10分ちょっとの場所にあります。

月曜市場があるなど、周辺は庶民的なお店が多く、交通量も多い賑やかな場所。

知らなければ通り過ぎてしまいそうな、シンプルな外観。

ここが、知る人ぞ知る「ニーファの王様」の新しいお店。

以前のお店とは打って変わって、客席も広く、風通しがよいお店になっていました。

あのギュッと濃縮されたお店がこんなになるとは(場所が違うので当然ですが)。

豪快な肉の塊が入った鍋は、残念ながら見えなくなってしまいましたが、何より広々食事ができるのがうれしい。

メニューは以前と変わらずニーファのみ。

好きな量を頼めます。

注文を済ませると、サラダ、タヒーナ、パンが運ばれてきます。

ここのサラダはシャキシャキでおいしい。

サラダの汁はグラスで飲みます。

唐辛子が効いているので、一気飲みはしない方が…。

ちなみにこれ、俗語で「ウイスキー」と言ったりするんだとか。

こちらは250g。

前と変わらず、まんべんなくいろいろな部位が入っています。

レバーやスゴッ(ソーセージ)も適当に盛ってもらえます。

この日は残念ながらスゴッは品切れでしたが、レバー、スゴッ共に単品でも頼めますよ。

おうおう、これこれ。とろっとしっとり。見た目に反してあっさりしているので、すいすい食べられる。

表面にパラリとかかった塩も健在。これが味のアクセントになっているのです。

こちらは0.5キロ。

2皿に分けた理由は特にありません。

表面の薄切り肉はレバーです。これがっ!すこぶる旨い。

上品なレバーパテのよう。臭みは全くなし。レバーの特有の重たさはほとんどなく、ふわっと軽い食感さえ感じるのです。

やや、これはまた、大変なものを発見してしまった。

無心で食べていると、店員さんが「バハーリーズをお持ちしましょうか?」と。

バハーリーズ?ふっとメニューに目をやると、「バハーリーズ 無料」との文字が。もごもごしてると「ちょっと待ってて」、と登場したのがこちら。

細かな脂がお皿に盛られていました。

ラーメンでいう背脂のような…?こ、これは、好きな人にはたまらないのでは-!!

ちなみに私は肉の脂身が唯一食べられない物と言ってもよいほど苦手なので、これは遠慮しておきます。でも、ちょっとだけつまんでみたところ…、脂身が肉の濃縮された旨味にコーティングされ、時間差で“うっ”という独特の脂味がやって来る、複雑怪奇な一品ということが判明しました。

ところでバハーリーズ(バハリーズ)、辞書的な意味では(濃縮された)出汁というニュアンスです。ただし、日常的にはあまり使われない印象。料理本などで時々見かけるくらいです。レストランの名前にも使われています。

食後にはお茶が頼めます。と言っても、近所の別の店から運んでもらうのですが。がっつり食べた後に熱いお茶。心なしお腹もスッキリします。

このお店のお肉のおじさん、ハーニーさんも健在。

前のお店の時と変わらず、気さくな方です。

むわっとする年季の入ったあの場所は名残惜しいですが、新しいお店でも変わらない味が楽しめるとわかり、なんだかほっとしたり。

そうそう、フェイスブックページを見ながら感じた違和感ですが…。

元々のお店の事には全く触れられていないのです。あれ、古いお店の方は完全になくなるのかな、と思い、調べてみると、なんと!その古い方のお店にも新しいフェイスブックページが立ち上がっているではないですか。最初の投稿は、同じく11月下旬。あ、新しい。

そして、こちらも新しい店舗のことに言及はなし。

このお店のシンボル、ハーニーさんも全く登場しません。

これは、円満な業務拡大ではなく、分裂騒動なのだろうか。

そう思うと、古い店舗では、「この地で100年、元祖ニーファ」のような投稿ががやたら多い。

なぜだろう、そわそわしてきた。

エジプトでは、同じような業種で同じ名前の店があちこちにあります。それは全く関係のない人が勝手にまねをして始めたものや、お家騒動などで分裂してしまった場合など、いくつかパターンがある模様。日本でもこのような例は耳にするので、エジプトに限った事ではないですが。えっと、かばんやさんとか。

そんな、“よくあること”としてしか感じたことのない歴史が、今、目の前で起った衝撃。完全に人ごとなのに、私ならお家騒動に巻き込まれたら耐えられるのだろうか、いや、ムリだ、なんて余計な事を考えて、日が暮れてしまう週末。

そもそも、お家騒動だと決まったわけではなく、部外者の私などその一部始終を知る由もない、完全な妄想に過ぎません。

ここは、お店の人に聞いてみるべきか。よい大人なら、察するべきか。

でも聞いた。勝手に緊張して、小さい声で、しかもどもってしまい、お店の人にえ?っと聞き返されたので、汗がどわっと出たのだけれど、でも聞いた。

「あ、古いお店。やってますよ。営業時間も長くなって、(以前定休日だった)日曜日も開いてますよ」ポーカーフェイス(のような気がした)!で普通に教えてくれました。

そうなのか、そうなのか、これは、古い店舗にも足を運んでみないと。

ハーニーさんの切り分けるお肉とはまた違うおいしさがあるのかな、なんて思ったり。

そして次の日、古い店舗のフェイスブックページに衝撃の一言が。「他に支店はありません」。

決まった…。何かはわからないが、私の中で何かが決まった。

そういうことなのか。そうなのか。

何があったのかはわかりませんが、そうなのか。

でも、近いうちに古い店舗にも行ってみることにする。その話はまたそのときに。

「Nefah Alnagahi」についての以前の記事はこちら

※記事のタイトル及び本文ではヤギ肉とありますが、新しいお店のメニューには羊肉と記載されています。

新しいお店(この記事)のフィスブックページはこちら

元のお店(イスラム地区)のフェイスブックページはこちら

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